長編U

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「あー、腹減ったぞ。うん」


「やっと夕食か」


「遅くなってすみません」


申し訳なさそうに謝る鬼鮫。
そんな鬼鮫に名無しさんが駆け寄り、耳打ちする。


「え?何故ですか?」


「いや、特に意味は……お腹すいてないだけかな?」


「そうですか、分かりました」


「ありがとう!」


慌てて食器を並べる名無しさんを鬼鮫は首を傾げて見ていた。




食卓につくとデイダラがきょとんとする。


「……?なんか名無しさんの分少なくないか?うん」


「べ、別に。気のせいだよ」


「そうかい?」


デイダラはそのことについて深く言及したりはしなかった。


しかし、食事中も名無しさんの様子はおかしかった。


「ん?名無しさん、今日は随分ゆっくりだな」


いつもは早く食べ終わる名無しさんが誰よりも遅く食べていた。


「お口に合いませんでしたか?」


鬼鮫の不安そうな顔に名無しさんは慌てて首を横に振る。


「違うよ。美味しいからよく味わって食べようかなと思って」


「ならいいですが……」


イタチと鬼鮫は目配せして名無しさんの様子がおかしいことを確認しあう。


しかし、確かな証拠がないことなどからもう少し様子を見ることにした。
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