短編
□不器用なサソリくん2
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チャイムが聞こえ、1日の授業が終わったことを知ったサソリは保健室を出て、教室へと向かった。
席に着いて名無しさんの方をちらりと見るともう怒りはおさまったらしく普通だった。
……名誉挽回しないとな。
しかし、その考えを具体的な行動にうつすことは出来ずに、帰り支度を済ませてサソリは自転車置き場へと向かう。
暑い……
季節は夏。日差しは強くてかなわない。
喉が渇いたな……
何か買うか
サソリは昇降口近くの自動販売機でジュースを買おうと考えた。
するとどうやら先客がいたようだ。
自動販売機の前で何を買おうか悩んでいる。
どうやらお金を入れてから悩み出したらしい。
サソリは迷わず後ろから欲しいジュースのボタンを押した。
悩んでいた人物はいきなりボタンを押されたことに驚き、振り返る。
「旦那!?何してんだ!うん」
「こっちのセリフだ。馬鹿。ちんたらしてんじゃねぇぞ」
「旦那はせっかちすぎるぞ!」
「俺は待つのは嫌いだ」
「開き直るなよな……うん」
サソリの態度にしょんぼりするデイダラ。
自動的にデイダラの奢りになってしまったのだが、デイダラは気づいていないのか全く指摘してこない。
「……飲み物持ってるじゃねぇか」
サソリはデイダラの持っているコンビニの袋にペットボトルが入っているのが見えた。
「ああ、これは間違えて買ったから……そうだ。旦那にやるよ」
にやりと笑うデイダラはサソリに袋を強引に押し付ける。
「は?やけに気前がいいな」
「ちょうど処分に困ってたんだ。うん」
「なら貰ってやる」
結局二本もゲットしたサソリ。なかなかせこい。
そして早く帰宅するために再び自転車置き場に向かった。