短編

□鬼ごっこ
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「おい、どこ行く気だ」

サソリはアジトとは違う方向に進もうとするデイダラに眉をひそめる。



「任務が終わった疲れを取るためにちょっくら茶屋にでも行こうかとな。うん」


楽しげなデイダラの様子にサソリは不機嫌丸出しでデイダラを睨みつける。


「……勝手にしろ。俺は帰る」


まっすぐアジトへ帰ろうとするサソリ。
するとその腕をデイダラががっしりと掴んだ。


「付き合い悪いぜ旦那。うん」


にやりと笑うデイダラにますます不機嫌になるサソリ。


「離せ」


「頼むよ旦那!おいら一人だと居づらいんだよ!」


「知るか」


デイダラの願いを一刀両断するサソリにデイダラは困った顔のまま言った。


「……明日の旦那の任務おいらが変わる」


「……」


その言葉にサソリはしばらく考え込んだかと思うとスタスタと歩き出した。


「ちっ、仕方ねぇな。行くぞ」


「よし!」


今日の疲れを取るために明日さらに疲れようとしていることにデイダラは気づかないまま明るい表情で茶屋へと向かった。
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