長編
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えっと……
なんで私こんな状態になってるんだろう……
今の状況を説明すると、サソリが椅子に座り、その目の前(床)に名無しさんが座っている。
サソリの見下ろす視線に恐怖心を隠せずに名無しさんは小さく震える。
「最初にお前が言ったことは本当なのか?」
サソリの突然の問いに名無しさんは一瞬きょとんとしたがすぐに言葉の意味を理解した。
「うん。……私はこの世界の住人じゃない」
……なんか自分で言ってて少し恥ずかしくなってきたかも。
「……」
私の言葉を聞いてサソリは黙る。
「でも最初に言ったとおりサソリたちの事についてはある程度知ってるつもり」
未来も……
と考えて名無しさんは黙り込んだ。
「ちっ。俺はお前について何も知らねえのにお前は俺について知っているだと?」
サソリは不満そうに舌打ちをする。
「うん。あ、でもサソリの好きなタイプとかは知らないから安心して。むしろ知りたいのにわからなかったぐらいだし」
「……知りたいだと?」
名無しさんは言った後に気がついた。もしかしたら自分は物凄く恥ずかしいことを言ったのではないかということに。