長編

□10
5ページ/9ページ

「ふんっ!意味わかんない」


ううっ……
真面目に痛かった
これはたんこぶ確定かも……。


涙目で怒る名無しさんにデイダラは恐る恐る話しかける。


「ところで名無しさん。さっきは角都を見つめてどうしたんだ?」


「え?あああああっ!」


慌てて角都へ視線を向けたが既に角都は食事を終えており、くだらなそうにこちらを見ていた。


「ああっ!サソリのせいで見損ねたじゃん!角都のマスク取った顔!」


「あ?角都のマスク取った顔?……そういえばおいらも見たことないぞ!うん」


名無しさんの言葉にはしゃぐデイダラ。


「仕方ない。こうなれば正面突破!角都!マスク取って!」


「断る」


角都はくだらないと一喝する。


「うぅ……」


悔しがる名無しさんを放置し、角都は部屋へと帰って行った。


「あーあ。残念」


生で見てみたかったのに……


退屈そうにため息をつく名無しさん。

デイダラも残念そうに一緒にため息をつく。


しかしサソリは黙り込んだままだった。


見かねたイタチが席を立ち、サソリへと近づく。


「……いい加減素直になったらどうです?」


サソリにしか聞こえない声で囁くイタチ。


「……あ?」


「俺にはサソリさんがヤキモチを焼いたようにしか見えなかったのですが」


イタチの言葉に目を見開くサソリ。


「ヤキモチだと?意味が分からねぇな」


サソリの返答にため息をつくイタチ。


するとようやく飛段がリビングにやってきた。


「腹へったー。お、名無しさんにデイダラちゃん何退屈そうにしてんだ?」


「ちゃんを付けんな。うん」


「飛段は角都のマスク取った顔見たことある?」


唐突な名無しさんの言葉に飛段は不思議そうに首を傾げる。


「角都の顔……もちろんあるぜ。」


「マジか!?どんなだ?」


デイダラが食いつく。


「そうだなぁー。名無しさんかデイダラちゃんがジャシン教に入るなら教えてやるぜ」


名無しさんの首に腕を回す飛段。


その瞬間、飛段の頭に椅子が飛んできた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ