長編
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「……行くぞ鬼鮫」
「はい。ところでイタチさん。何もこのタイミングで木の葉に行く必要はなかったのでは?」
朝早く出掛ける二人。向かうは木の葉。目的は九尾の人柱力を捕まえること。
「……今がチャンスだとリーダーも言っていただろう」
「確かにそうですが……」
イタチは鬼鮫の言いたいことを理解していた。
サソリさんがリーダーの言葉に大人しく従ったことに驚いたのも事実だが……俺にはやることがある。
大切なものを守る……
サソリさんにも大切なものが見つかったんだと俺は思っていたのだがな……
「行くぞ」
イタチと鬼鮫が出発した時、サソリはひたすら傀儡のメンテをしていた。
しかしサソリは名無しさんのいない部屋の広さをひしひしと感じていた。
「……馬鹿馬鹿しいな」
自嘲気味に笑うサソリはやはり感じる変な感覚に違和感を覚えていた。