長編
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「おい、起きろ」
……何か聞こえる
でも眠たい……
「……うるさい」
「あ?誰に向かって言ってんだ」
名無しさんはうっすらと目を開ける。
「……あれ?」
あまり寝起きがよくない名無しさんはぼーっと目の前の暁マントを見つめる。
「……眠たい」
「行くぞ」
サソリは名無しさんの服を掴み持ち上げる。
突然体が浮いた名無しさんは驚いて目を覚ました。
「えっ、わっわっわ!」
「急いで着替えろ」
サソリは手を離し、名無しさんをベッドに落とした。
「わかった……ってここで?」
「早くしろ」
沈黙の後、名無しさんは顔を赤くしながらサソリに後ろを向くように説得する。
本当は部屋から出て行ってもらいたいのだがサソリが聞いてくれなかったのだ。
別に逃げたりしないのに……
しぶしぶ後ろを向いたサソリを見て名無しさんは急いで着替えた。