長編U
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「サソリサソリ。さっきね、イタチにみたらし団子分けてもらったんだよ」
「良かったな」
「うん!イタチがみたらし団子の旨さが分かったか?とか言ってたけどやっぱり私は三色団子かなと思うんだ」
「そうか」
メンテナンス中なので返事が若干適当なサソリ。それでも名無しさんは嬉しそだった。
「今度またみんなで団子食べに行こうね」
「ああ」
「でも食べ過ぎたら太っちゃうかもね」
「確かに少し重くなったな」
その一言で名無しさんの表情は一瞬にして消え失せた。
「……え?」
「そういえば浴衣着せたときに腹が出てた気が……」
そして真っ青になった名無しさんは部屋から出て行った。
――
「旦那が原因じゃねぇか!」
「あ……?」
未だに理解できていないサソリにイタチは再びため息をつく。
「サソリさん、女性に体型のことを言うのはNGですよ。ちなみに名無しさんが食事の量を減らしていたのは恐らくダイエットでしょうね」
「ダイエット……?」
何も考えずに発した言葉であり、全く悪気がなかったサソリは戸惑う。
すると、ソファの裏から名無しさんがひょこっと顔を出し、サソリを見ていた。