長編
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「怖いだと……?」
誰が?なんて問わなくても分かりきっていた。
イタチの考えてた通りかよ……
怯えた目でけっしてサソリと目を合わせようとしない名無しさん。
「名無しさん」
イタチは名無しさんに近づいて目を合わせる。
すると名無しさんは再びベッドに倒れ込んだ。
「すみません。少し眠らせました」
「いや、それと……悪いが名無しさんが起きたら話を聞いてくれ」
「サソリさんは……」
「俺は名無しさんのことを追加で報告してくる。……それに俺を見たらまたパニックになるかもしれねぇからな」
悲しげなサソリの様子は見ていて痛々しかった。
そしてサソリは足早に部屋から出て行った。
その後、イタチは自分の部屋から紙と筆を持ってきて名無しさんが目覚めるのを待った。