長編
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初任務が終わってからまた数日たった。
やることのない名無しさんはだんだん鬼鮫のお手伝いをするようになった。
「次は塩を入れるんだよね」
「ちょっ、ちょっと待ってください!ちゃんと分量を測ってから入れてください!」
なかなか騒がしい二人。
「今日昼食がいるのは何人?」
「今日任務がないのは角都さんと飛段とイタチさんと私たちなので五人ですね」
鬼鮫の言葉に名無しさんは近頃イタチとあまり話していないことに気が付いた。
「……イタチ最近元気ないね」
「そうですねぇ。この間術を使いすぎたので疲れているのでは?」
「そんなに大変な任務だったの?」
名無しさんは意外そうな目を向ける。
「いえ、木の葉にちょっと」
「……木の葉」
その時名無しさんは記憶を失っているときにサスケとぶつかったことを思い出していた。
「九尾の捕獲?」
名無しさんの言葉に鬼鮫は感嘆の声を洩らす。
「さすがですね。えぇ。まぁ、様子見ということになりましたが」
鬼鮫が若干残念そうだったのを見て、名無しさんは暁という組織の黒さを改めて確認した気がした。
「もうすぐ昼食出来るよね。みんなを呼んでくるよ」
「お願いします」
いつも時間になると全員現れるが今日は少し早い時間に出来たので名無しさんは呼びに行くことにした。