漫画っぽいモノ

□工場編
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※モテモテな社長


きゃあきゃあと黄色い悲鳴が廊下に走る。

其れと同時に、若くして一代で世界に通用する自動車産業を興した社長兼工場長が手を振れば―――



女子1「ねぇねぇ、見たぁ??社長があたしに手を振ってくれた〜っ///」
女子2「馬鹿ねぇ、アタシに手を振って下さったのよ!!」
女子3「あぁ、それにしても惚れ惚れしちゃう!!若い上にイケメンな社長なんて最高じゃない!!」
女子2「ホントよねぇ〜///」


などと、顔を赤らめては口々に好き勝手な事を言い出す始末。


其れほどまでに、此の前屋グループのトップである男は社内全員の女子に人気があると言っても過言では無いほどにモテたのだが。




※側近の熊田と歩く大輝


熊田「相変わらず女性に大人気ですね」
大輝「そうかぁ??」

表向きは愛想良く振舞って女性にも紳士な態度を取っていた大輝ではあるが

全くと言ってイイほど他人に興味を持っておらず。


熊田「ですが!!」
大輝「な、何だよ…??」
熊田「貴方が視察に訪れる度女性社員の労働効率が著しく下がるので視察の回数は減らして下さい!!」


などと熊田が注意しても



※キツい言葉で反論する大輝


大輝「其れは俺のせいじゃないだろう。落とせる見込みも無いのに勝手な夢を見て騒ぐほーが悪い」

明らかに悪意の有る言い方をして話しをはぐらかしてみせるので。


相変わらず容赦の無い人だ。

と、心の中でぼやいた熊田はふぅ。と重い溜息を吐いてこう言ってやったのだ。




熊田「まぁ確かにそうかもしれませんが…何も其処まで仰らずとも。其れよりもいい加減結婚されたら如何ですかな??煩わしい縁談も来なくなりますよ」


と。


だが―――




※無遠慮に熊田の背中を叩く大輝さん



大輝「ま、考えておくよ。俺を夢中にさせるくらいのイイ女が目の前に現れたらな!!」
熊田「大輝様‥‥…」


やはり曖昧に流した大輝は無遠慮にも熊田の背中をバンバンと思い切り叩いて笑い飛ばしてやったのだ。



とまぁ

こうして度々熊田が忠告をしようとも、幼い頃から人間の醜い部分ばかり見て来た大輝は一向に結婚しようとはしなかった。



特に

愛の無い結婚をし、長年仮面夫婦として好き勝手やってきた両親を見て育って彼にとって


結婚は最大の鬼門であり、忌むべき儀式でもあったのだ。



そう、彼女に出逢うまでは―――
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