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□夏の恋はお疲れSummer
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「あらよっと、あー重たかったぁ」

完全に熟睡して全体重がのしかかる幸村をどうにか肩に担いで自宅まで運んで来た佐助は、階段を汗だくになりながら昇り自室のベッドに起こさないよう幸村をそっと下ろした。

「ったく、マジで起きないんだけど……」

瞼を閉じた幸村は、穏やかな寝息と時折モゴモゴと寝言を呟き、未だ起きる気配がない。

「今日はこのまま寝かせるしかないか」

担いでいた幸村の身体から熱が伝わり欲情しっぱなしだった佐助は、汗を流すついでに手早く浴室で抜いてしまおうと肩を落として部屋を出た。

「あー、すっげぇ中途半端で辛い……」

汗で湿ったシャツを脱ぎ捨て、下着ごとハーフパンツをずり下ろすと、その摩擦だけで半勃ちした下肢に刺激が与えられてしまう。

「あれ?………ん?んんっ?」

シャワーで汗を流しながらスルスルと手を下肢に伸ばし陰茎を握り規則的に刺上下に擦ってみれば、芯は硬くなるのに一向に射精感が訪れない。

「こっちも…………んっ!」

仕方なくいつものように左手を背後に回すと、尻の双丘に指を滑らせ奥に潜む後孔を軽く突つく。

「あは…………やっぱ、こっち………かぁ……んんっ!」

流石に家族と共有する浴室にジェルは置いておけないので、佐助は代用でトリートメントをプッシュして指に絡め、人差し指と中指を押し入らせる。

「あー……っ、んっ、ん、」

もう自慰行為は後孔を使わないとなかなか達しない身体へと変化している佐助は、シャワーで嬌声をかき消しながら絶頂へと急いだ。








「ふー………湯あたりしそう」

どうにか身体の熱を吐き出しスッキリとした佐助は、冷蔵庫から取り出した麦茶をコップに注いで一気に飲み干すと、明日の朝には二日酔いになるかもしれない幸村の為にスポーツ飲料とコップを部屋に運んだ。

「あ………」

部屋に戻ってみると、ベッドの上に寝かせていたはずの幸村がベッド下の床に転がっていた。

「あーあ、寝相悪いんだからぁ」

「別に寝相が悪くて堕ちたのではない………」

ベッドに向かって横に寝転がったままの幸村が背を向けたまま答える。

「な、なんだよ起きたの?どう、具合は?」

「大事ない。ところで佐助…………これは何だ?」

ゴロンと佐助の方へと身体を反転させた幸村の手には、ベッド下に隠しておいた玩具が握られていた。

「ちょ!何勝手に人のモン漁ってんだよぉ!!!!」

幸村には絶対見られたくない秘密が見つかってしまい、佐助は悲鳴にも似た声で抗議する。

「その前に俺の質問に答えよ。これは、何に使うんだ?」

エネマグラだけなら健康器具だとか何とか言って多少は誤摩化せたかもしれないが、男性器を模した玩具はどう考えても言い逃れが出来ない。

「それは…………その、いつか…………旦那と想いが通じ合った時、受け入れられるように……準備してて………」

しどろもどろになりつつ言葉を選びながら説明する佐助は、羞恥から目尻にうっすらと涙を浮かべてしまう。

「ほう、受け入れるとはどのようにだ?」

「だ、旦那ぁ………それ、わざと聞いてね?本当は分かってんだろ?」

「否、俺は不慣れ故色事に疎くてな………出来れば此れの使用方法を見せては貰えぬだろうか」

幸村が何を言っているのか理解するまで一瞬間が開いたが、脳に意味が届いた瞬間佐助の背を悪寒にも似た電流のような甘い刺激が貫く。

「ば、か………言うな………何で、そんな………」

幸村が玩具を握りしめたまま立ち上がると、入り口で立ち尽くしたままの佐助にジリジリと近付く。

「今宵、俺の想いを受け入れてくれるのならば全てを晒してみせよ」

抱きしめられそうな至近距離まで近付くと、手に持っていた玩具を佐助に握らせる。

「そんな……………ぁ」



幸村が獲物を追いつめた獣の目で凝視すれば、捕食者の佐助は是以外を口にする事が出来なかった。
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