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□◆明日、世界が終わるとしたら◆
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明日、世界が終わるとしたら……貴方は何をする?
『さあね〜みんな無くなって分からなくなるんだったら、いつも通り過ごすかな?』
『いつも通り?』
『そ、旦那に飯作ってぇ、一緒にお風呂入ってイチャイチャしてぇ、今みたいにもう無理!て言うまで中に出されたまま抱き合って?』
『なっ!は、破廉恥だぞ佐助ぇ!!』
事後の気怠い体を抱き締め合った状態でありながら、幸村は頬を紅潮させて恥じらう。
『破廉恥でもこれが俺達のいつも通りだろ?』
『ん…ま、まあ…そうではあるが…』
『なんで急にそんな事聞いてきたんだよ?』
額を合わせて瞳を覗き込みながら佐助は、責める訳ではなく甘く慈しむような声色で幸村に問う。
『先日政宗殿に聞かれた折、俺はその場で答えが見つけ出せなかったものでな…』
きっとテレビか何かで見て問われた些細な話題も、生真面目な幸村は真剣に受け止めてしまったのだろう。
『ったく、旦那に余計な気ぃ揉ませやがって…明日学校行ったらシメとくから』
『いや!これしきの問いで思い悩むのは俺が未熟故』
『あーっ!もうっ!そんな真面目なとこも可愛いんだからっ』
幸村の後頭部をクシャクシャと掻き撫でながら鼻先や頬に軽く啄むようなキスを降らす。
『な、っ、…さ、すけぇ…』
急にスイッチが入った佐助に、幸村は唇を求めるが上手い事ギリギリ逸れた箇所ばかりに触れられる。
『んふ、…、かあいい…』
瞳を潤ませ恍惚とした表情で見つめる佐助の方こそ可愛く淫猥で、幸村の下肢に再び熱が集まる。
『お前の方が…可愛いぞ?』
なかなか唇に触れさせないのに焦れた幸村は、佐助の頬を両掌で包み込むように押さえると、お預けを食らった獣のように貪るようなキスをお見舞いする。
『ん……っ、ふ、ん…っ、んんっ!』
すっかり勃ち上がってしまった下肢を佐助の薄い腹に擦り付けると、身体を少し上にずらした佐助は、先程まで散々幸村を咥え込んで少し痺れている後孔へと招く。
『あ…っ、よ、良いのか?』
『ん、い、いから…っ、来て?』
珍しく積極的な佐助のおねだりに目眩すら覚えた幸村は、招かれるがままに熱い胎内へと推し進んだ。
「ったく……また中に出したままかよぉ」
溢れるまで胎内に白濁を注ぎ込まれた佐助は、隣で穏やかな寝息をたてる幸村の寝顔を少しだけ恨めしそうに眺める。
「明日、世界が終わるとしたら……ねぇ」
瞼を閉じた幸村が生きてる証の温もりを、佐助は頬に触れて確かめる。
「俺様にとっての世界の終わりは……」
今の幸村にはない遠い遠い前世の記憶
佐助はその世で世界の終わりを見た。
天下を目前に散った主。
後を追うのは許されず、最後の命で敵将から奪還し、腕に感じた愛おしい主の首の重み。
その後自分がどれだけ生き延びたのか、どうやって散ったのか佐助自身まるで覚えていない。
世界は靄に包まれ色も形も失ってしまっていたから…
「だけどさ、世界は意外と終わらないもんだよ?」
たとえ幸村に記憶がなくても再び巡り会い、想いが通じ合った。
「ん……っ、さすけぇ…」
愛おしそうに自分の名を呼び、少し離れた体を抱き寄せようと伸ばされた腕。
佐助が少し身じろぐと幸村の腕に力強く抱き寄せられたので、お返しとばかりに逞しい背中に腕を回し、二人の隙間を更に縮めた。