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□夏の恋はお疲れSummer
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「あっ、ぁ……っ、あっ!!」

幸村の武骨な指が胎内を擦る度、佐助の口からは言葉にならない甘い嬌声が漏れる。

「凄いぞ佐助……中が指に吸い付いて離してくれぬ」

「ば、かぁ……っ、ん、あっ、そこっ……」

人差し指と中指の根元まで挿った後孔は、入口はキツく締め付け、中はやんわりと指を包み込むように吸い付く。

ここに漲る己が分身を収めたら………
指先から感じる心地良さと照らし合わせて夢想するだけで幸村の下肢は硬度を増す。

「痛くはないか?」

「ん、だい……じょ…ぶ」

幸村の位置から下肢の様子は伺えないが、佐助の表情から苦痛は見られない。

「いや………お前はすぐ大丈夫と口にして無理をする。痛みはないか確かめさせてくれぬか?」

「へ?や……ほんと、痛くないし…」

寧ろ道具で慣らした後孔は、前立腺を押し上げる刺激を求め物足りなさで疼いている。

「ひゃうっ!!」

ちゅぷんと卑猥な水音を立てて後孔から指が抜かれた佐助は、抜ける時の入口を引っ掻く刺激で思わず悲鳴をあげる。

「顔もしかと見せてくれぬか?」

ぐるんと形成を逆転させ、今度は佐助を仰向けに寝かせると、枕を腰の下に素早く挟ませる。

「やだ……ちょ、これ……恥ずかし…んだけど」

仰向けに寝かされ脚を左右に大きく割り開き、腰を高く突き上げた所謂赤ん坊がおむつを替える時のような体制にされた佐助は、摘まれて赤く腫れた胸元も、決定的な刺激を求めて先走りを滲ませながら限界まで張りつめた陰茎も、髪と同じ橙色の下生えが先走りでびしょ濡れな様も、幸村が指で解して呼吸に合わせて収縮を繰り返す後孔も、全て幸村の眼前に余す事なく晒された。

「何を恥ずかしがる?もっと、霰もない姿を見せてくれねか?」

「だって……んんっ!!」

有無をいわさず側に置いてあったジェルを再度指に取り、物欲しげな後孔に突き立て一気に奥まで指先でくすぐる。

「ね、ね、っ…ぁ、も、ちょ……ぉ」

「まだキツいか?」

「ちが………も、ぉ、早っ……」

「ん?どうして欲しい?」

優しい口調とは裏腹に、胎内に馴染みはじめた幸村の指は前立腺の手前を執拗に擦る。

「お、れを………だ、んなの…ものに、して?」

もっと直接的な言葉で強請られるかと思いきや、予想外に健気な佐助の願いに、幸村のなけなしの良心が少しだけ疼いた。

「ああ………そのつもりだ」

全身で幸村を欲する淫らな姿と、一途で健気に自分を請う声のアンバランスさが幸村のギリギリまで堪えていた理性を粉々に打ち砕く。

「あ………、」

中を解す手はそのままに、空いている片方の手で器用にデニムの釦を外しジッパーを下ろして下着ごと豪快に脱ぎ捨てた幸村の下肢は、玩具など比べ物にならない大きさと硬度がまるで凶器のようで、佐助も一瞬身構えてしまう。

「どうした?何を怯えておる?」

「や、そうじゃなくて……っ!!」

左右に大きく開かれた太腿に幸村の勃ちあがった陰茎を軽く押し当てられると、胎内が思わず戦慄く。

「ん?中が急にキツくなったぞ?もっと解さなくてはならぬな……」

「ば、か……ぁ」

本当なら一秒でも早く佐助の望む通り全てを己が物にしてしまいたいが、長年焦らしに焦らす癖が抜けずについ意地悪くしてしまう。

「ね、ね……だんなぁ……っ、も、だい…じょぶ…」

縋るように背中に手を回され身体を引き寄せられた幸村は、涙をホロホロと溢れながら懇願する佐助の目尻を舌で拭うと、胎内から指を引き抜き、代わりに熱い屹立を押し当てる。

「んんっ!!」

散々解した甲斐もあり、佐助の後孔は貪欲に先走りで滑る幸村の亀頭をゆっくり飲み込む。

「ぐっ、ぁ…っ」

幸村も初めての刺激に、脳天まで甘い痺れが走る。

「や、ぁ…っ、あっ、」

張ったカリで入口を引っ掻かれた佐助は、だらしなく開かれた口から涎を垂らしながらひっきりなしに嬌声をあげてしまう。

「んんっ!」

一番太い箇所を超えると、後は一気に根元まで中まで推し進む。

「あっ……、は、いっ、た?」

「ああ……確かめてみるか?」

背中に回されていた佐助の腕を掴み、繋がっている箇所まで持って行くと、限界まで押し広げられた後孔の縁を指でなぞらせてみる。

「ほんとだ……」

フニャっといつも見せる柔らかな笑みを浮かべた佐助に、幸村の下肢が一段と熱を増す。

「ひゃ…っ、」

幸村の根元がビクリと跳ね、胎内で膨らむのを感じた佐助が思わず首を仰け反らせてしまう。

眼前にある佐助の首もとは白く滑らかで、浮き出た喉仏がひくつく様すら艶めかしい。

「はぁ…っ、ん、ん、っ…っ!!」

滑らかな首筋を甘噛みしながら幸村は、ゆっくりと腰を引き、カリの手前まで引き抜いては根元まで押し込むように腰を叩きつける。

「ん、ん、あっ、あっ、そ…こ…ぉ…っ」

良い箇所を突かれた佐助は、長い脚を幸村の腰に絡め、身も蓋もなく縋りつく。

「お前の感ずるのは此処か?」

「あっ、ああっ!!や、あっ、んんっ!!」

前立腺の感じる所を幸村が突くと、触れてもいない佐助の陰茎からタラタラと白濁を垂れ流して二人の腹を濡らしてしまう。

「可愛いぞ……佐助」

幸村がいつになく低い声色で呟くと、佐助の胎内がキュッと締め付ける。

「ん?どうした?中がキュッと締め付けておるぞ?」

「や…っ、言うな、よぉ…っ」

「そうやって感ずる姿が可愛いのだから素直になれ。な?」

「んんっ!!あ…っ、や…っ、耳ぃ…っ」

良く聞こえるよう耳元で囁けば、佐助はより一層感じて中を締め付けるのが心地良く、幸村は耳朶を歯で柔く咬んでは耳穴を舌で舐り犯しだした。

「や、やっ…っ、も…っ、ぉ…っ、ああっ!!」

クチュクチュと卑猥な水音で耳を満たされ、下肢は熱い幸村自身でひっきりなしに突き上げられた佐助は、身体の隅々まで幸村で占拠されていくのを感じながら、大きく身体を震わせ大量の飛沫を撒き散らした。

「ぐっ、うぅ!!」

つられて胎内がギリギリと屹立を締め付けると、続けて幸村も大量の飛沫を佐助の中に吐き出す。

孕みそうな程の子種がじんわりと胎内に染みこみ、まるで所有印のマーキングのように感じた。

「だん…なぁ…っ」

途切れ途切れの息で幸村を呼ぶと、汗で滑った佐助の手が背中からずり落ち宙をさ迷う。

「佐助……」

幸村が宙に浮いた佐助の手をしっかりと握り締めると、まだ荒い呼吸をゆっくりと整える。

「ごめんな……ずっと黙ってて」

「…それは俺とて同じだ」

「こんな……浅ましい事してでも、旦那が…欲しかったんだ」

今にも泣きそうなのに無理して笑みを繕う佐助に、幸村は愛しむように柔らかな口付けを唇に落とす。

「其れならば、佐助がまだ自覚していない頃よりこうなる事を望んでいた俺こそ……卑しく浅ましい男だ」

「マジで?」

「ああ……」

言葉を裏付けるように、まだ佐助の胎内に収めたままの屹立がズクリと疼き硬度を取り戻す。

「ひっ!ちょ……また…?」

「何年待ち詫びたのか……身体で知らしめてみせよう」

「え、ちょ、ちょ……っ、その…前にぃ……あっ」

佐助が肝心な事を聞き出そうとしたが、再び揺さぶられながら深い口付けで唇を塞がれてしまい、それどころではなくなってしまった。











「で、結局ハメて丸く収まったって訳か」

「ちょ、竜の旦那っ!」

翌日、全てお見通しとばかりに佐助の家に押しかけてきた政宗は、風呂敷に包まれた重箱を佐助に差し出した。

一応玄関に出て来れる余力があるのはこれまでの特訓の成果なのかもしれない。
政宗とて見ただけで身体を繋げたかどうかなど分かる訳なかったのだが、わざとか無意識なのか佐助の白い首筋には、幸村が付けた鬱血した所有印が多数散りばめられていた。

「ところで、これ何?」

「無事アイツのモンになった祝いだよ」

何となく嫌な予感がしつつも風呂敷を解き重箱の蓋を開けると、中にはぎっしりと赤飯が詰められていた。

「……これ、片倉の旦那が炊いたの?」

「ああ…これで俺の肩の荷が降りるのでめでたいってな」

「そっちかよ!!あ、そうだ…俺様の事は置いといて、そちらはどうなったんだよ?」

「なっ!……んなの別にいいだろうが」

珍しく動揺を見せる政宗に気をよくした佐助は、してやったりと問い詰める。

「そう?でもさぁ〜俺様達だけ上手くいってたならわざわざ赤飯なんて炊く余裕ないだろうし……」

「shit!」

「んでどうしたの?竜の旦那だって初めてだろ?あ、でも片倉の旦那は中々手慣れてそうだから大丈夫だった?」

「…………だとよ」

「へ?」

消え入りそうな声に佐助が思わず聞き返すと、政宗は俯いて呟く。

「俺が高校卒業するまで待ちます。だとよ」

「えっ?な、何でだよぉ?」

「想いを受け入れてもらえただけでも今は満足だってさ。親父にちゃんと話付けたいから18になるまで待つんだと……ったく、堅物過ぎだっての」

「でもさ、そんなトコも好きなんじゃないの?」

「お前に言われたくないっての!!」

「あ…………」

「ん?どうした」

「や……あー…うん、あのさ……」

剣幕っぷりの伝わる足音が階段を踏み鳴らし、ノックもなしで乱暴に部屋の扉が開かれる。

「これはこれは、朝から如何された政宗殿」

「如何されたじゃねーよ真田幸村ぁ!!」

まだ体力が有り余っているのか、幸村は佐助の部屋で日課の腕立て伏せをしながら呑気に足音の主を見上げる。

「あーっ!!もう、いいってば竜の旦那ぁ!!」

少し出遅れて部屋に駆けつけた佐助が政宗を制止しようとするが、一歩遅かった。

「この期に及んでまだ好きって言ってないんだと?それで先に手ぇ出すとか最低だな!」

「いや……確かに多少前後致したが、某は何度も申しましたぞ?」

「え?や、そりゃ旦那の反応見りゃ伝わるけどさ…ちゃんと言われてないし」

佐助は自分でも女々しいのは重々承知しているが、今更ながらたった二文字の言葉を欲してしまう。

「そうではなく、事の最中に何度も伝えたぞ?」

「ええっ!?いつ位のタイミングだよ?」

「確か……俺にも些か余裕の生まれた三度目の時からだ。佐助とて何度も頷いておったではないか!」

「つか……お前ら初めてで何回戦ヤってんだよ?」

呆れ気味の政宗に、悪気なく五回目で佐助が気を失ったと言いかけた幸村の口を、佐助の手が塞ぐ。

「もう分かったから!!」

顔を真っ赤にして幸村の発言を助の掌が塞ぐ。

「お前ら本当に獣同士でお似合いだな……」

「んんーー!!」

口を塞ぐ掌を幸村はべロリとひと舐めし、佐助が思わず離してしまうと唾液で濡れたままの手をしっかりと掴んで自分と向き合わせる。

「それでは………今、伝えても良いか?」

「えぇ?い、今ぁ?」

呆れて佇んだままの政宗が、一応空気を読んで席を外そうとしたが『どうか立会人となって下され』と幸村に足止めされてしまう。

「マジかよ……」

しかし、そこまで言われては基本面倒見の良い政宗は、見届けない訳にいかなかった。


「佐助………」

「は、はいっ!!」

「結婚しよう!!」

「………はい?」

佐助が待ちわびた言葉とかなり違う答えに、脳が解釈するまで時間を要してしまった。

「確かに順番が逆になってすまなかった。だが契ったから責任を取ってではなく、元より佐助とは幸せな家庭を築こうと思案しておったのだ」

「えー…と、あのさ、一応俺様達男同士なんだけど…」

「それなら心配は及ばぬ!お館様より同性の婚姻は養子縁組をするべしと教わったぞ!!それに式を挙げたいのならば海外でも良いし、何なら武田道場で盛大にやれば良いとも仰られていた」

「え?え?ちょ、旦那…いつの間にお館様にそんな相談してたのかよっ!!」

自分の知らぬ間に外堀を埋められていたとは思いもしなかった佐助は、ショックを隠しきれずにいる。

「そうそう、今俺と佐助のご両親で温泉旅行に行っておるだろう?」

「そう…だけど」

「あれはな、これから親戚になるのだからと先走っての親睦旅行だそうな」

「はぁ?じ、じゃあ…ウチの親も旦那のご両親も……?」

「まだ付き合っていなかったのかと佐助の母上は笑っておったぞ?」

「う、嘘だろぉおお?」

鮮やかなまでの包囲網に、政宗は呆れるのを通り越して少しだけ関心する。
あの一見人当たりの良いベビーフェイスに意外に力強い軍師っぷり。

仕事でこの能力を発揮出来るのなら逸材だが、多分佐助が絡まなければ活かされないのが残念極まりない。


「ま、既成事実も出来たんだから腹括って嫁に行けよ?」

「よ、嫁ぇ?」

「俺から祝いにウェディングドレス位は出してやるよ。あ、それとも白無垢か?」

「そういう問題じゃなくてさー」

「佐助!!俺のような若輩者に嫁ぐのは不満か?」

「そ、そんな訳ないだろ?旦那はまだ若いけどもう立派な虎の後継者だって!」

「ならば……四の五の言わずに俺の元へ来いっ!!」

幸村の暴君っぷりすらも、佐助はそれだけ自分を求められているのかと胸をときめかしてしまう。

好きの一言を吹っ飛ばしての求婚も、生真面目な幸村らしくて愛おしくすらなっている。

そんな佐助の答えは一つしかなかった。



「不束者ですが……よろしくお願い、します」

「さ、佐助ぇっ!!」

これ以上この場にいたら二人が盛る場面まで見せつけられそうなのを察した政宗は、二人の頭を一発ずつ叩いてから部屋を出た。


「世紀の馬鹿ップルとは彼奴ら以外いないな……」

これで二人の間に入って相談役のお役御免かと思っていたが、政宗は携帯を取り出し小十郎にコールする。

「あー、小十郎か?んーああ……まだお役御免にはなれなそうだ」


その後政宗の指示で、小十郎が眉間に皺を寄せながらブライダル雑誌を買いに走る姿が目撃され、新たな憶測を呼ぶが、それは又別の話。
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