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□夏の恋はお疲れSummer
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佐助が夢にまで見た幸村との口付けは、技巧こそ拙いが口内を貪るように荒々しい舌に蹂躙され、頭の芯を痺れさせた。

「んは、あ………だ、んなぁ……」

佐助がかろうじて身につけていたシャツを鎖骨の上まで捲られると、無骨な幸村の手が造形を確かめるように撫で回す。
拙い口付けに反し、身体を弄る手は妙に手慣れていて不思議な違和感を感じた。


はじめて触られるのに……何でこんなに馴染んでるんだ?

佐助自身すら知らなかった脇腹や肩甲骨の下、腰骨付近の感じる箇所を的確に捉えて愛撫するのは偶然なのか、それとも相性が良いからなのか……

「ひゃっ、や……ぁ、そ、こ………んんっ!」

「佐助は……感じやすいな」

掌で存分に撫で回しただけでは飽き足らず、幸村は口付けから解放した唇と舌を使って全身を隈無く吸い上げはじめた。

「あっ………く、………っ」

綺麗に程よく筋肉の乗った胸元を左右から掌で寄せると、中心に出来た谷間に舌を這わせ、鎖骨の中央を甘噛みする。

「こちらも………触れて良いか?」

「んんっ!」

全身への愛撫で慎ましくもすっかり硬く勃ちあがった乳首を左右の親指の腹でくすぐるようにこねると、面白いように佐助の身体が小刻みに震える。

「ここも感じるのか?」

「ひぃっ!い、たっ…」

親指と人差し指で軽く摘むと、強過ぎる刺激で痛みを訴える。

「ああ、強過ぎたか?では……」

「や、ぁっ!あ、ちょ、んんっ!」

指を離して舌で労るように舐ると、痼りは更に芯を増した。
唇で柔く食み、舌で芯を舐られる初めての刺激に、佐助は逃れようと幸村の顔を退かせようと後頭部に手を回すが、思う様に力が入らず寧ろもっとと強請るように顔を胸元に押し付ける形になってしまった。

「そう急くな。じっくりと可愛がってやる………」

「ちがっ!やぁあっ!んっ、んーーっ!」

胸元への執拗な愛撫に、触れていないはずの佐助の下肢はすっかり勃ち上がり、先走りで密着した幸村の腹を濡らしていく。

「余り厭厭申すな。もっと素直に感じて俺に全てを晒せ……」

「そ、だけど……ぉ……っ」

幸村に触れられるだけで理性が崩壊寸前の佐助は、このまま抱かれてしまったら自分がどうなってしまうかと言う未知への恐怖から、力なくではあるが拒んでしまっていた。

「あの、さ……俺も………触って、いい?」

元来尽くす方が好きな佐助は、一方的に快楽を与えられてばかりの状態に耐えきれず、自分も幸村に快楽を与えたいと懇願する。


「佐助は、俺に触れたいのか?」

「う、ん……触りたいし……気持ち良く、なって欲しい…から」

その言葉に、幸村はゴクリと咽を鳴らして興奮を抑えようとする。

「わかった。好きにしてくれ……」

「ん、それじゃさ、旦那がこっちに仰向けになって?」

上下を反転させベッドの上に幸村を仰向かせると、佐助は腰を跨いで上に乗る。

「ん、ん、………っ」

首筋に唇を這わせると、舐る舌先にドクドクと血潮の流れる頸動脈の鼓動を感じる。

「旦那………すご、興奮してる?」

「当たり前だ。佐助が斯様に大胆な振る舞いをしておるのだからな…」

少し声が上擦り、幸村の興奮の度合いを表している。
自分ばかり快楽を与えられ、幸村は物足りないのではないかと心配したが、いざ自分が幸村から快楽を引き出そうとしてみると、愛撫される以上の高揚感で満たされるのが分かった。

「旦那……可愛い…」

チュッチュと音を立てて胸元や鍛えられた腹筋に口付け吸い上げると、幸村が小さな喘ぎ声を上げながら身体を跳ねさせ、雄々しさの中に清らかなものを穢しているような背徳感が湧く。

「さ、佐助ぇ…………も、ぉ……」

佐助の両脇に手を差し入れ、上体を強引に引き上げた幸村は、後頭部と背中に腕を回して口付けを求める。

「ん、んっ、う、んんっ!んーー!」

求められるがままに唇を重ねると、呼吸ごと奪うような口付けに佐助も負けじと応戦する。

「ん、ぅ、あっ、んっ!」

スルスルと背中に回した幸村の掌が背を伝い、柔らかくも張りのある臀部に伸び、やんわりと揉みしだく。

「ぁ、あ、んっ、んぁっ、ら、んなぁ……っ!」

舌を甘噛みされ上手く喋れず舌足らずな声を上げる佐助に、幸村の手は次第に大胆な動きを見せる。

「さす、け………ぇ」

尻の双丘に指を滑らせ上下に撫で回すと、最奥に潜む後孔を人差し指の先で突つく。

「や、やっ、あぁっ……そ、こ………っ」

「ここで………良いんだな?」

「ん、んっ!」

コクコクと首を縦に振った佐助は、秘部に触れられた衝撃のはずみで腰を幸村の上に下ろしてしまうと、デニムを押し上げる幸村の滾る下肢を蟻の戸渡り付近に感じた。

「だん、な……すご………こんな………っ」

「ぐぁっ、こ、ら……動くで、ない……」

幸村の指から逃れようと腰を前にずらすと、張りつめた幸村の下肢を擦って刺激を与えてしまう。

「いっ!だ、旦那ぁ、そのままじゃ……痛いから、ちょっと待って?」

逃すまいと追いかけた幸村の指先が、時間が経ち先程自分で解した時に使用したジェルもすっかり乾いてしまっている後孔をこじ開けようとするので、慌てて制止する。

「うむ………どの様にすれば良いのだ?」

「ジェルで滑り良くしないと……そこの箱に入ってるから」

幸村の寝転がる枕元に鎮座した箱に手を伸ばすと、使い慣れたチューブ状のジェルを手にする。

「これ使うんだけど、自分で準備しようか?」

「いや、俺にやらせてくれぬか?」

未だ少し残る羞恥心から、ちゃっちゃと自分で準備してしまいたがる佐助の手を掴んだ幸村が、自分が施してみたいと強請ってくる。

「そ、う?じゃ、じゃあ……手、出して?」

掴んでいた手を離し、素直に佐助の前に差し出すと、掌にチューブの中身を絞り出す。

「掌で温めて、そうそう………もうちょっと足してもいい?」

ニチャニチャと卑猥な音を立てながらジェルで濡れた幸村の手は、今か今かと急いている様にも見えた。

「ん、そろそろ……いいかな?さっきの箇所、もう一回触って?」

自ら後孔に触れてくれと強請る佐助に、幸村の下肢がズクンと疼くのがのしかかった腰にまで伝わる。

「あ、ああ………こ、ここで、良い…か?」

先程までの大胆さとは打って変わって恐る恐ると言った体で幸村の指が双丘の周辺を弄る。

「ん、も、っと……奥っ……」

さっきは引いた腰を戻し、導くように佐助自ら臀部を幸村の手に押し付けてる。
これが計算ではなく全くの素で、幸村を煽り通し煽るのに本人は気付いていない。

「ん、そ、そこ……ぉ、っんっ!」

導かれるがままに幸村の指が柔肉の奥に潜り込むと、待っていましたとばかりに貪欲に咥えこむ。

「こ、れは…………」

普段体温の低めな佐助からは想像もつかないような熱が指先から伝わる。

「あ、ぁ………その、まま……もっと、挿れ、て?」

頬を紅潮させ、呼吸を荒げはじめた佐助の色香は凄まじく、幸村は言われるがままに滑る指先を奥へと探り出した。
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