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□難攻不落
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幸村は本能の赴くがままに床へ押し倒した佐助の着物を割り開き、素肌を弄った。
張りはあるが無駄のないしなやかな筋肉は日頃闇に隠れての任が多く、素肌を外気に晒す機会もあまりないからか透き通るように真っ白で、幾多の戦を共に乗り越えた証である無数の傷痕が痛々しくも、自分との絆を刻んでいるようで愛おしさが募る。
槍を奮い、顔に似合わず武骨でマメだらけの幸村の掌が脇腹をなぞると、佐助は鼻から抜けるような声をあげた。
「ちょ…旦那ぁ、くすぐった…い…ってぇ。」
「す、すまぬっ…見惚れていたらつい…。」
「触るだけで…いいの?」
自分がこれ以上一方的に淫れてしまわないよう、先に事を進めようとした佐助に、またまた幸村はとんでもない願いを申し出た。
「その…俺の手では肌を擦って痛かろう。だからな…少し、舌で撫でてみても良いか?」
「はい?え?…そっちのがくすぐったそうなんだけど。」
「そうか?俺が触れられる所で柔らかい場所が他に思いつかなかったものでな。……駄目か?」
待てを命じられた子犬のような瞳で見つめられては、佐助に拒む術はない。
「駄目…じゃないけど…忍の身体なんか舐めたらお腹壊しちゃうよ?」
「俺の腹が丈夫なのは佐助が一番良く知っておるだろう?」
「そりゃそうだけど…。」
幸村が一度言い出したら意外と頑固なのは承知している佐助は、渋々ながらも阻もうとした手の力を抜く。
「では…この辺から触れてみるぞ?」
とんでもない所を舐められるのではと覚悟をしていた佐助の手を掴み、手の甲に口付けると舌で緩やかに筋に沿って形をなぞる。
「ん……っ。」
手の甲、指股、指先と、夢中で舐める幸村の唾液でべとべとになる。
「なんで…手ぇばかり舐めるのさ。」
「お前の手は器用で強くて…美しいからだ。」
まさか幸村の口から美しいなんて言葉が紡がれるなどと思いもしなかった佐助は、忍には無用の心が疼いてしまう。
「それじゃ…旦那が折角濡らしてくれた指、使わせてもらうかね?」
「何に使うのだ?」
「さっき、女は何処を使うかは教えたよね?」
「う、うむ。」
「男はややこを産む訳じゃないからさ…此処を代わりに使うんだよ。」
自らの膝裏を抱えて、赤ん坊がおしめを替えてもらう時のような格好を取り、幸村の眼前に全てを晒け出した。
「こ、この様な所を一体どうするのだ?」
「女の時は柔く濡れてたでしょ?男はそう言う風に出来てないからさ、こうやって……んっ、…ぅ…。」
幸村に舐られ濡れた指を後孔へとあてがい、ゆっくりと飲み込ませようとするが、使う予定が無かったので解していなかった佐助の後孔は固く、唾液だけでは中々解れる兆しがない。
「あー…、やっぱ油ないと厳しいかなぁ。」
「油?」
「うん、滑りが良くないと挿らないからさ。」
「入らないとは…指がか?」
「指で解してからじゃないと……旦那の摩羅、挿れられないでしょ?」
「なっ!は、はれ、破廉恥ぃっ!!」
ようやく佐助の意図が理解できた幸村は、急にいつもの初さで身体を仰け反らせる。
「もう、今更でしょ。」
「しかし…おなごの身体でなくとも、精は取り込めるのか?」
「んー、多分…それに旦那はこっちの俺様を抱きたいでしょ?」
「すまぬ…出来るのならば、今のお前が良い。」
「承知、そんじゃちょっくら準備してきますかね。」
大幅に予定変更になった房事の前準備をしようと腰を上げかけた佐助の腰に幸村が飛びつき、四つん這いの体制で床へ押し倒される。
「いったぁ…ちょっと旦那ぁ…。」
「……ばよいのか?」
「はい?」
「此処を、濡らせば良いのか?」
無防備に幸村へと晒された秘孔に武骨な指が押し当てられる。
「そ、そう…だよ。だから…草屋敷戻って支度してくるからさ…ちょっと待っててよ?」
「ならぬ。」
「ならぬって、ちょ、やっ、何すんのさっ!!」
あらぬ箇所に柔く温い感触を感じ、慌てて背後を振り返ると、高く突き出した臀部を左右に開き、秘孔へと舌を這わす主の顔があった。