□こんな恋の始まり
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※アマ燐+雪男
ギャグになると思いきや、途中からまさかの微裏。











「どうも。コンバンハ」


夕飯を作るまで仮眠をとっていたら
何故か、あのトンガリが俺に跨がっていた。


「ええぇえ!?何でお前が!?てか顔が近い!」


突然の事に驚き慌てふためく俺をよそに、トンガリは淡々と話す。


「何でって……夜ばいに決まってるでしょう

はあ?


よよよ夜ばいって!?
普通男同士で夜ばいってないだろ!?
てか、どうやって部屋に入ったんだよ!


「くそぅ…よりによって雪男が居ないときに…!」

「弟さんが居ないときを狙って来たんですよ。
そんなのとっくにリサーチ済みです。
ボクをナメないで下さい」

え、何誇らしげに言っちゃってんのこの人!
それって完全にストーカーじゃねーか!


「あの…とりあえずどいてくんねーか?」


俺が起き上がろうとすると、トンガリに腕を押さえ付けられた。
ゲッ!コイツ意外と力強いし!


「な、何すんだよ!」

「だから夜ばいしに来たと言ったでしょう?」


アマイモンは燐の首筋に顔を埋めた。
そしてシャツの下に手を忍び込ませる。
こういった事が未経験な燐は、つい甘い声が漏れてしまう。


「ちょ…マジで待てってば…っ!!」

「待てません。安心してください、ボク上手いですから」

「上手さの問題じゃねーよ!!」

「少し黙ってもらえますか」


アマイモンは燐の唇を自分の唇で塞ぐ。
続けて舌を入れて、深く口づける。


『コイツの口の中、あったけぇ…。
手とか冷たいから何か意外だな…』


つい、目がトロンと落ちてきた燐。
チュ、と音を立ててアマイモンが唇を離す。


「ファーストキス、奪っちゃいましたね」

「ファ…、ファーストキスって決めつけんなよな!」

「違うんですか?」

「う……、当たっ…てるけど…」

「可愛いですね、燐」


普段あまり表情を崩さないアマイモンが、小さく笑ったように見えた。
燐は不覚にもドキッとしてしまった。


『何だよ……これじゃまるで、コイツの事好きみたいじゃねーか…』


そしてもう一度、アマイモンが燐にキスをしようとした時



この悪魔がぁぁあぁあ!!!!!人の部屋でラブコメしてんじゃねーよ!!!」


勢いよく部屋のドアが開かれたと同時に、雪男がアマイモンに向けて銃を乱射した。
しかし、アマイモンは燐を抱き上げて華麗にかわした。


「チッ、外したか」

「いきなり何しやがる雪男!!てか俺にも当たるだろーが!!!」

「あ、ごめん兄さん。
ちょっとそこの変態トンガリ悪魔に用があるから、兄さんはどいてくれるかな」

「せっかくいいところだったのに邪魔しないでください。
それに、キミにだけは変態と言われたくないな」


火花をバチバチ散らす二人の間で、どうしたらいいのか分からない燐。
そんな燐の様子を見てアマイモンは小さく息をはいた。


「ハァ、仕方ないですね。今日は帰ります。
では燐、続きはまた今度にしましょう。
次こそ最後まで可愛がってあげます」


アマイモンは、燐の頬を優しく撫でると窓からビヨーンと去って行った。


雪男が「二度と来んじゃねー!」と叫ぶ横で、燐は顔の熱を押さえるのに必死だった。










こんなの始まり





【続】

 

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