WEST

□第二十八幕
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二条城にて、



「これが鵺ヶ池??」


「そうじゃ、美しいだろう?」


「真っ黒だ…」


バシャッ


「お姉様っ!!」

「見ていろ」


羽衣狐が池の中へ入っていった


「あぁ懐かしい…この池の水がわらわに力をくれる」


喧嘩していたえっと…しょうけらとなんとかも羽衣狐がいれば向かう方向は同じ


「さぁ、わらわのためになるたけの生き膽をもってまいれ」

「京妖怪を総動員し一万の生き膽を捧げます」


「(ニコッ)」


トクリ


「あ、…」


この人は宿願を果たす

そんな根拠のない予感がした

止めなければ

わかってる、でも動かない…体が動かない

あの笑顔を畏れてしまった


「桔梗、畏れたな」

「ちが、あの、」


「桔梗、お前の“闇”は予想以上に深いのぉ」


「えっ!?うそ、池の水が」

池のどす黒い水が生きているかのように足に絡み付いて池に引きずりこまれた


「や、やだっ」


バシャッ


「お前のことは食わん、大人しく我々に尽くせ」


「羽衣…狐……」



水のなかに体が沈んでゆく


この池の怨念の水だかなんだかが身体にしみこんできてる気さえする


おかしくなりそうだ


「お前には妖怪を惹き付ける何かがあるのじゃろうな・・・わらわの好みに染まり・・・わらわと鵺のためにその身をささげよ」


お前は・・・憎きぬらりひょんのお気に入り


でも、生かして自分のそばにおいて置きたい気持ちもあったりして


「さて、どうしようかのぉ」




「よう羽衣狐、ずいぶん若いよりしろじゃな」


「ヤクザ者・・・ぬらりひょん・・・」
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