WEST

□第二十一幕
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一室にて、


「話は分かった」

「赤河童、何度もすまんな」

「今更か」

「お世話になります、よろしくお願いします」

「お嬢さんはいいんじゃよ、じゃが本当に行くのかね?」

「はい」

「行かせてやってくれ」

「分かった」


「あの、一つだけお願いを聞いてもらえますか?」

「なんじゃ?」

「もし、あたしがコントロールを失ったまま破滅の能力を使い続けて遠野の平和を乱すことがあれば・・・殺してください」


怯みもせず真っすぐに自分を見据える


人間の少女に興味が湧いた


「好きにさせてやってくれ」

「あい分かった」


「ありがとうございます、じゃあ着替えてきます!!(笑」


真剣な眼差しはいずこ、

ニッコリ笑って着替えに行った

ころころ変わる少女の表情はそれもまた“をかし”


「・・・ぬらりひょんよ」


「ん?」


「人間も捨てたもんじゃないの」


「じゃろ」





「お待たせしました!!」


○゜ージャにTシャツ姿で登場


「その格好じゃ・・・」


「人間と分かると遠野じゃすぐ目付けられるぞ」


「え"?!か、かえりうちにしたる」



玄関にて、

ぬらりひょんとけじょうろうのお見送り


「行ってきまーす」

「この子はもらっていくぞ」

「ちょっとまてぃッ!!」

「東北の女はみな美人と聞きますからね、遠野の女にまけるんじゃありませんよぉ〜!そして遠野の男をかたっぱしから引っ掛け回してリクオ様に嫉妬させてやんなさ〜い」

「それも、ちょっとまてぃッ!!」




数時間後、遠野到着



「ここが、遠野?」


「そうじゃ、ここら一体は畏れで覆われていてな、それで」


「・・・せーのっ」


「お嬢さんはいきなり入ったら」


ドッカァーン



ガッツーン


さっそく破滅の能力暴走



そのまま気を失って倒れたついでにおでこを岩にぶつけた


「この子は本当におもしろいのぉ」



赤河童は相変わらずのんきである。
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