EAST 

□第23回
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「用件を言うよ。あなたが奪った子供たちのアリスとあの日奪った一部を返してほしいんだ」

「それと、あたしから盗ったアリスもね」

「「「!?」」」


「ちゃんと挨拶してなかったなぁ・・・はじめまして安積泉、安積柚香の姉妹です。志貴さんもはじめまして」

「はじめまして。安積柚香、あんたの姉よ」

「志貴だ」


目の前には二度と会うことはないと思っていた血のつながり


家族がいる


「アリスを帰して・・・それがないと学園にいられないの」

「それでもだめ、恨みたいなら恨みなさい・・・今までどうりわたしを恨続けて」


歪な姉妹の絆


柚香さんはあたしの最後の希望


自由な世界への逃げ道


「学園を出たら行くとこないの…両親はあてにならないし」

「・・・それでも駄目、この2つアリスを持ってちゃいけない
あなたのためにもよくないから・・・・・・」


瞬間移動で去ろうとする柚香さん達



あたしには縋るなにかが必要だった



「いかないで!!」




「ッ!?」




「もう1人にしないで・・・」



隠し続けてきた弱音が出た



手じゃ拭いきれないほど涙もあふれた




「・・・」




今の泣き崩れた泉は昔の自分にそっくりで



自分に思いをぶつけてきた声はあの時捨てた娘に言われているみたいで



衝動的に泉を抱きしめた



「・・・」



「ッ!!」



「自分で決めなさい。学園でやっていくか、私と外へ行くか・・・」



「柚香!?」



「先輩!?それは・・・」




「・・・行く・・・・・・外に行く!」




「泉ちゃん、考え直して!外にでたら・・・」




「ナル、ごめん・・・今はあたしの気持ちを受け入れてくれた柚香さんの下にいたい」




「柚香、」





「志貴、ごめんなさい・・・今は、この子を1人にさせたくないの」




「泉、行くんだな?」



「行・・・平・・・・・・」



そこには行平がいた



「決めたんだな?」



ほんの一瞬迷った   けれど



「行く」



「わかった」
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