戦国BASARA

□キミの幸せ祈るコトバ
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「ということが今朝ありまして」
『ah〜…』
出張の度に欠かさない政宗への連絡で、小十郎は今朝の出来事を話して聞かせた。
小十郎は不思議に思っていたことだったのだが、政宗には思い当たる節があったようだ。
「政宗様、お心当たりがおありですか?」
『ん…、まぁ。あのさ、こないだ親父と飯行ったろ』
「社長が出張で東京にいらっしゃったときですか?」
『そうそう。俺の二十歳の誕生日祝いを兼ねて、ちょっと良い店で酒飲んだんだ』
「は、それは良かった」
『で、そんときにさ…』
電話の向こうの政宗が、今朝の輝宗のように急に歯切れが悪くなった。
「で、どうなったのですか?」
訝しく思いながらも小十郎が促すと、政宗は白状します、と前おいた上で重い口を開いた。
白状という言葉に一抹の不安を覚え、小十郎は反射的に携帯を握り締める。
『親父に、小十郎とは上手くやってんのかって訊かれて、やってるって答えたらよ、小十郎も良い年だし彼女の一人や二人いるだろうから、お前も昔みたいにベッタリしてないで空気読んで遠慮してやれって言われたんだよ。で、手っ取り早く俺も好い人作れとさ』
「は、はぁ…」
『俺も親父もシコタマ呑んでたし、俺もカチンと来てさ、全部言っちゃった』

ン……?

言っちゃった!?

何を!?

小十郎の頭には、最早最悪の考えしか浮かんでこない。そしてそれは、ばっちり当たってしまった。
『俺と、お前がデキてるってこと』
「ど、どこまで…」
『だから全部だって。恋人として付き合ってて、この先も誰とも結婚しないって。あ、夜はは相性バツグン! て言っといた』

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