戦国BASARA

□永遠恋愛
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「え」
「なにか、不都合がありましたかな」
てっきり、それは俺の役目だと言い出すのではないかと思っていた小十郎だったが、予想外の答えが返ってきた。
「お前にしちゃ、随分物騒なこと言うじゃねぇか。いつもなら俺が今みたいなこと言って、滅多なことを言うんじゃねぇとかなんとか言われてお小言が始まる流れじゃねえか?」
「言って繋げてもらえりゃ越したことはありませんし、可能なことなら是が非にでもやって頂かねば。またあれだけ離されちゃ、堪ったもんじゃありませんぜ」
長嘆を漏らし、小十郎は残りの酒を一気に煽った。
政宗の体温も息遣いも心内も知ってしまってから、何百年も引き裂かれるなんて神も仏もないとひたすら絶望し続けた前世。あの暗雲たる渦の中に舞い戻るくらいなら、閻魔に牙を向けるなどどんなことよりも容易く思えた。
「…重いんですがね」
「うるせー」
膝の上に預けられた頭を撫で、武骨な手指で烏の濡れ羽色の髪をそっと梳いた。
滑りのよい髪は、小十郎の指の間をすり抜けてはさらさらと落ちてゆく。
「俺の股間で、涙を拭かんで下さいよ」
「っ、誰が!」

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