戦国BASARA

□永遠恋愛
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「もしお前がこの呪いにかかったとしたら、俺は追いかけるからな。絶対に止めるなよ」
ずずっと鼻を啜り、涙を乱暴に拭うと、政宗は氷が溶け切って限りなく水に近くなった水割りを飲み干した。
「十年なんか待てるか。もう離れるなんて懲り懲りだ」
戦国の世から平成という名の現代に二人揃って転生できたのは、紛れもなく偶然だった。
お互いに幾度かの転生を経て、この現世に辿り着いた。そして転生の度に互いを探しては、落胆するを繰り返してきた。
その間も小十郎は誰一人とも婚姻を結ばず、命が尽きるまで主を探して回った。今度こそ会える。そう信じて。
それは政宗も同じだった。どの世界にもお前を越えて愛せる人間がいなかったと言われたことを、小十郎は鮮明に覚えている。それを聞いたとき、天にも昇るような心地であったことも。
会えなかった時間は、十年なんてものではない。倍をして倍をしても、全然足りないくらいだ。
しかしその壮大な時間すら、二人の想いを引き裂くことはできなかった。
「いっそ、魂ごと繋いでしまえたら楽でしょうに」
離れた時間の辛さを思えば、口惜しいのは小十郎とて同じだ。
「今の魂が潰えたら、閻魔さんにお願いしてみようぜ」
「なるほど。聞き入れて貰えたら御の字ですね」
「ああ」
「まあ、もし駄目だったとしても押し通りますが」

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