書籍
□聖神話
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――まだこの星に名前が付いていなかった頃。
遥か宇宙の彼方から、幾多もの『意識』だけの存在がこの星へと飛来をしてきた。
肉体がある訳でもない、ただの『精神体』として――
だが下を見ても闇、上を見ても闇。
今みたく何処までも広がる大地も空もなく、正に死している星そのものだった。
「いや……この星はこれから生まれ変わるんだ」
一つの『意識』が宇宙へと姿を現し、眩い光を放つ。所謂超新星爆発だ。
後に長い時間を掛けて、この星全体を照らす『太陽』へとなった。
それを見ていた別の『意識』もが宇宙へと飛び出す。すると宇宙に出た瞬間、段々と大きな星になり、それはいずれ『月』となった。
また別の『意識』も宇宙の彼方へと溶け込み『時間』を作り出し、これによって朝夜が星に訪れるようになった――