□My heart is yours!!
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ずっとずっと、たくさんの女の子にモテたい!って思っていた。
だけど、今は少し違う。


「あ、あのさ竜崎さん!その…、ぼ、僕とつき合って欲しいんだ!」


俺がモテたいのはただ一人、君にだけだから。







「うーん、どこも変じゃないよね」


何度めかの服のチェック。
最後のチェックは街中の建物の窓ガラス。
初めての彼女との初めてのデート。
失敗はしたくない。
よし!と意気込んでもう一度待ち合わせ場所に向かって走った。


テニスを通じて知り合った、竜崎桜乃ちゃん。
綺麗な長い黒髪をいつもみつあみのおさげにしている可愛い女の子。
最初に会ったときから可愛いとは思っていたけど、何度か会ううちに、一生懸命なところ、少しドジなところ…優しいところとか、いろんな桜乃ちゃんをたくさん知って。
もっともっと、知りたいって思った。
それが恋だって気付くのに、時間はかからなかった。

『はい。こちらこそ…よろしくお願いします、葵くん』


先週、思いきって告白した僕に、桜乃ちゃんは頬を染めて笑ってそう答えてくれた。
そのときはもう、嬉しくてどうにかなりそうだった。

そして今日は、念願の初デートだから!
気合いは充分!
どこに行くか何をするかも、ちゃんと考えてる!

見えてきた待ち合わせ場所に、桜乃ちゃんを見つけた僕は走るスピードを上げた。
ああ早く、君に会いたい。



「桜乃ちゃん!」

「! 剣太郎くん!」

「ごめんね、待たせちゃったかな?」

「ううん、大丈夫。まだ全然約束の時間じゃないんだから、謝らなくていいよ」

「あれっほんとだ…桜乃ちゃん、すごく早く来てくれてたんだね!」

「うん、すっごく楽しみで、早く来ちゃったの」


そう言ってえへへって笑う桜乃ちゃんを見て、胸がキューン!ってなる。
ああ僕今、すっごく幸せだなあ。


「僕も!すごい楽しみだったよ!ねえ、桜乃ちゃん」

「なあに?」

「これから一緒に、いーっぱい楽しい思い出を作っていこうね!」

「うん!」


君を好きになる前は、たくさんの女の子にモテたい!って思ってた。
だけど、僕は君を好きになって。
君は僕を好きになってくれた。

君のいないたくさんなんて、意味なんかない。
君一人がいれば、僕はこれ以上ないくらい幸せだから。


「ねえ、今日はどこに行くの?」

「ああえっとね、今日は…」


君と並んで、歩いていく道。
ずっとこうして、二人で歩んで行けたらいいな。



【My heart is yours!!】

(僕の心は君だけのものだよ!)



end
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