Signal〜合図〜
□09.
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只今、試合続行中。
このゲームは四天の圧勝だと思ったんだけどな……
師範の球を返せないのは目に見えていたが、丸井の妙技にあそこまで翻弄されるとはね……
ジャッカルは波動球以外は1本も抜かれていない…4つの肺を持つ男といわれるだけある。
謙也はスピードは良いものの、バランス力がない。
いくらボールに追いつけてもあれでは勝てない………
この試合、見えた。
「ゲームセット!!ウォンバイ丸井・桑原ペア!!7-5」
「っし!!こんなもんだろぃ!!」
「すまんなぁ、負けてもうたわ…」
「わしがk『反省はあとあと!!試合、お疲れ様。悪いところはあとで言ってあげるから、今からは千歳の応援』…」
そうしてベンチに座った2人を見て、あたしもまた、ベンチに座った。
「杏先輩…」
『…どうしたの光…、……試合できなくて拗ねてるの?』
光が擦り寄ってきた。
「…ちゃいます…」
『じゃあどうしたの』
「……」
『言わなきゃわかんないよ…』
「…悔しいんすよ」
『……』
「久しぶりに杏先輩に会ったのに、強くなったん見てもらいたかったんや…」
『…じゃあ、午後一緒にテニスやる?』
「!!ホンマですか!?」
『うん、約束ね』
確かに、みんなが試合してる中、光のプレーが見れないのはあたし的にも嫌だ。
みんなはあたしがいるころより強くなっている…。
光との___楽しみだな
「―――行ってくるばい」
『…蓮二、か。互角……いや、千歳の方が上か………』
試合が始まり、蓮二のデータテニスにより最初の何ポイントかはとられた。
―――!!
あれは…
『あれ、使えるようになってたんだね…』
「なんや、もともと使えたらしいで?最近やっと俺らの前でも使い始めたんや…」
『あ、じゃあ謙也は見るのは2回目?』
「…いや、俺らは3回目や。白石の試合と、金ちゃんの試合……」
『…才気換発の極み、か』
これにより蓮二は手も足さえもでなくなってしまい、試合は一方的なものになった。
「ゲームセット!!ウォンバイ千歳。6-3」
「勝ったばいね」
『うん、お疲れ様。まさか千歳が使えただなんてね、知らなかったよ』
「隠してて悪かったたい」
『べつに怒ってはないけど「杏」……なに、』
「……」
『試合でしょ、頑張って。蔵なら勝てる。努力は必ず実るって言うでしょ』
「おん」
いよいよS2か……、
相手は切原か。
どんなテニスをしようとも、聖書テニスの蔵には勝ちようがないんじゃないかな…?
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