賞味期限。
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「あ、聖亜先輩よ!」
「中等部の校舎に来るのは初めてじゃないかしら!」
「いつ見ても麗しいわー!」
いや、あの……
なんでこんな始まり方なんでしょうね…
確かに私が中等部の校舎に来たのは今年初だけれども、
私は断じて麗しくない
うん、誰か理解してほしい
とりあえずこっちに来たのは彼に会うため
いや、会うというよりは……
『昼休みなのにごめんなさいね…切原くんいるかしら?』
ドアの近くにいる男子生徒に声をかけてみる
「え、なんd…!!ぅ、あっ…聖亜先輩!!ちょっと待って下さいっ…」
かなり真っ赤な顔して大丈夫かしら?
「は?俺を呼んでる?女が?………は?」
面倒くさそーに歩いてきた彼ーー赤也だったが、私の顔を見た瞬間それは驚きの顔へと変わった
『やぁ、赤也』
「ちょちょちょちょ、なんでここにいんの!?」
『え、来ちゃダメなの?』
「いや、そーじゃねぇけど」
『じゃあいいでしょ?』
「(いや、よくねぇ。俺明日から大丈夫なのか?)」
「あ、あのっ、聖亜先輩と切原くんってどういう関係なんですか?」
1人の女子生徒が声をかけてきた
あぁ、なんかギャラリー増えてきた
さっさと帰ろ…
『あぁ、私と赤也はね……恋b「ただの従姉弟でしょう?お遊びはそれ位にしていただけませんか、聖亜さん」…せーちゃんだ!久しぶり』
「お久しぶりです、それよりどうしたんですか?わざわざ此方に来るなんて珍しいじゃないですか」
『あー…赤也に電子辞書貸しっぱなしだったでしょ、だから』
「…そうだったんですね(…赤也?)」
「っっ!あ、あぁ、忘れてた!ありがとー助かったぜ、聖亜」
『どーいたしまして!じゃ戻るね。バイバイ赤也。Thank you.』
赤也の頬にキスして私は高等部の校舎に戻っていった
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その後の中等部は
黄色い悲鳴のような歓声が鳴り止まなかっただとか
(え…幸村部長?)
(赤也……聖亜さんと従姉弟だからって頬チューしてもらうのは許せないな……)
(……え?)
(一回消えよっか…)
(ぎゃぁぁぁぁぁああああああ)
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