Signal〜合図〜
□12.
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『…ん…』
「!!杏先輩!!」
「杏、大丈夫かよぃ」
「心配したきに」
「杏…」
『…病院?』
あれ…―――
なんで病院なんかに…
…
あぁ、倒れたんだっけ…
『ごめん、ちょっと1人にさせてもらえる?』
「…わかったよ、みんな、出ようか?」
『ごめんね、精市…って貴方は出ないの?』
「ん?なにか文句でもあるのかい?」
『いや…ないけど…』
あたしに黒を出すってことは、相当怒ってるな…。
「ねぇ、杏…テニスできなくなったらどうするの?」
『さぁ?なんにも考えてない…』
「っ…だから杏は!!」
『ん…わかってる…ごめん』
「俺の方こそ大きな声出してごめん、驚いたよね…。でも、真田との試合が13”34、白石の話によれば2年との試合も10分ちょっとで終わったんだろ…?」
『うん…。それで危ないから1球勝負にしたのよ…そしたらそれだけで30分超えちゃってね』
「…事情は分かった。でも、白石たちはそのことを知っていたのに止めなかった。もし、もう少し遅かったら―――…」
そのあとは想像しなくても分かる。
もし、もう少し遅れたいたら
一生テニスのできない体になっていた
『ん…でも、今回はあたしが悪いから蔵たちのことはどうこう言わないで。迷惑かけたことも、心配かけたことも悪かったと思ってるから…』
「杏がいいならいいけど…」
『あ、赤也とか聞きそうもない子はあたしが説得するから呼んできてくれt…大丈夫か、精市いるし…』
「それじゃあ、俺は病室戻るね。またなにかあったら連絡して」
『うん、いつもありがとう。精市』
そう言い残して部屋から出て行った
それと同時に
ガラッ―――…
「杏姉ちゃん!!!」
『金ちゃん…なに泣いてるの…』
「だってワイのせいで杏姉ちゃん死んでまう思うて…」
『そんなことないよ。それに金ちゃんのせいやないから』
「それでも金太郎は謝らなアカン…」
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