Signal〜合図〜
□04.
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―ガチャ
『お邪魔しまーす!!』
「あら、杏ちゃんやないの。神奈川から戻ってきたん?」
『おばさんやー。久しぶり!今日から2日間お世話になりますー』
「由香里から聞いとるから大丈夫やで。ただ、部屋がないねん、蔵ノ助の部屋でええなら…」
「ちょっ、待てやオカン!!俺まず杏が泊まることも聞いとらんのに。しかも俺の部屋やて?俺らやて年頃やっちゅーねん!!なぁ、杏」
いや、確かに年頃だけども。
別に同じ部屋にいるだけなんだし大丈夫でしょ?
しかも蔵だし。
『いや、迷惑かけるわけにもいかないからあたしは構わないよ?』
「…はっ!?」
「杏ちゃんならそう言うてくれると思ったわー。」
そういっておばさんは部屋に案内してくれた。
「オカンっ、俺聞いてへんゆうてるやんかっ!!」
「蔵ノ助反対するのみえみえやったんや!!」
「当たり前やああぁぁぁぁ!!!」
『蔵の部屋変わってないね。あ、カブリエルまだいるの!??』
去年の初夏だよね?
カブリエル捕まえたの。
どうやって冬越したの!??
「当たり前やろ。カブリエル死んでもうたら俺生きていかれへんねん」
『そこまでなん?』
「あたりまえや」
そんなくだらない話をしていたら、
蔵が急に抱きしめてきた。
いや、こっちにいた頃はよくあったことだけれどやっぱりビックリする。
まぁ、あたしたちは幼なじみだから慣れているが。
『ん…?どうしたの……?』
「………」
『くーら?…蔵?』
「杏、学校どうするん…?」
『……行くよ?』
「だってまたアノ時みたいなことが起こってもうたら…俺…」
『ふふ、でももう大丈夫。あの頃みたいに弱くないから。』
「…おん」
『それに蔵たちもいる。』
「絶対守る。杏を傷つけさせへん。…………それよりも学校、どうやって入ったん?」
今の流れでかそこに行くのか?
このKYめ。
『決まってるじゃん、お願い(脅迫)したー。』
「そ、そうなんか(副音声が聞こえたんやけど)」
「杏ちゃーん、蔵ノ助、ご飯やでー」
「『はーい』」
こうして1日は過ぎていった。
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