DEAD HP
□第一章 A suicide
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痛い。
苦しい。
ドウシテ?
ねぇ、どうしてなの??
「うらぁッ!」
「きゃッ」
我が家にいつも響く声は
私を虐待する父親の罵声しかない。
父は腕を想い切り振り上げて私の体を叩きつける。
「痛い…」
そんなことを思っていても
じっと我慢しないといけない。
――父の気が済むまで。
私のにはちゃんと両親はいる。
しかし、母親はどういう訳か父が私を虐待し始めたとたんに実家に帰省した。
私を残して。
卑怯だと思った。
一人だけ逃げるなんて…
それに自分に被害が来ない様に私を残して逃げたのも許せなかった。
「あ、いない」
床に身を守るようにして頭を抱え込む体制をとっていたので、父が満足したことに気付かなかった。
もうあの人は今日はしてこないだろう。
私は全身打撲で痛い体を引きずるようにして、足を一歩ずつ動かした。
ポケットから素早く携帯を取り出すと
アドレス帳に登録されている数少ないある人に連絡をした。
「ねぇ、ちょっと晩御飯食べさして」
帰って来た返事は了承のものだった。