放課後教室

□図書室
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 気を抜くと鳴り出しそうな歯を噛み締め、人気のまばらになった教室の席から立ち上がる。

 24日…

 何度も日にちを間違えていますようにと確認するが、携帯画面には『24日(金)』のゆるぎない表示しかない。

「葉、帰るのか?」

 声をかけられ、思わずびくっと身構える。

「威は…これから部活?」
「その部活がなくなったからさ、一緒に帰らないか?」

 一瞬その言葉にすがり付きたくなったが、拳を握りしめて首を振る。

「辻さんと帰るだろ?邪魔しちゃ悪いから。寄るとこもあるし」
「そうか…」

 しょんぼりとして向けられた背中に、助けてと叫び出しそうになって唇を噛む。

 威に…あんな事があったなんて、話せない

 教室を出た威に、亜矢子が声をかけて歩いていく姿を見送る。
 仲良く寄り添い、笑い声をあげながら帰路につく二人に、苛立たしさを感じて目を瞑った。
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