雑事祓屋〜都市伝説見聞録〜

□6月4日
1ページ/1ページ

 目が覚めたけれど、身体中が泥に沈んだみたいに重くって、だるさで動けなかった。
 いつも寝てるソファーの感触が気持ちよくて、頬をすり寄せていると師匠と白さんの会話が聞こえてきた。

「…あの格好のまま放置はなくないか?」
「一応服かけとるやろ」

 うん。師匠って優しい。

「いや…だって…生足!」
「見たらしばく。むしろ殺す」
「事務所はラブホじゃないんだけど…」
「その方が儲かるで」
「家賃滞納者が何を言うか」
「今日守屋んとこ行ってくるわ。金はまた取りにこい」
「あー…一昨日の?ハルちゃんうまくできたの?」
「結局俺が祓った」

 スミマセン…

「ハルキ、準備して来い。起きとんはわかっとるんや」

 う…。
 もそもそっと起き出して、体に掛けられていた師匠のシャツを羽織る。

「さっさとせぇ」
「…はぁい…」

 体がだるい。

「喉嗄れてるね?大丈夫?」
「オハヨウゴザイマス…大丈夫です」

 だるいのは師匠がガンガンにセメ立てたせいもあるんだけど……多分一番の原因は師匠に霊気を一気に吸いとられたせい…
 その次の日は大抵こうなる…。

「すぐに準備します」

 黒いシャツの前を握りしめながら、事務所奥の簡易シャワー室へと向かう。

「ハルちゃーん!俺はシャワー浴びてない方が好みなんだけどー」
「頭から俺のザーメン被っとってもええんか?」
「あんたら事務所でどんなプレイしてんのよっ」

 泣きそうな白さんの声が聞こえてくる

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ