雑事祓屋〜都市伝説見聞録〜
□6月4日
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目が覚めたけれど、身体中が泥に沈んだみたいに重くって、だるさで動けなかった。
いつも寝てるソファーの感触が気持ちよくて、頬をすり寄せていると師匠と白さんの会話が聞こえてきた。
「…あの格好のまま放置はなくないか?」
「一応服かけとるやろ」
うん。師匠って優しい。
「いや…だって…生足!」
「見たらしばく。むしろ殺す」
「事務所はラブホじゃないんだけど…」
「その方が儲かるで」
「家賃滞納者が何を言うか」
「今日守屋んとこ行ってくるわ。金はまた取りにこい」
「あー…一昨日の?ハルちゃんうまくできたの?」
「結局俺が祓った」
スミマセン…
「ハルキ、準備して来い。起きとんはわかっとるんや」
う…。
もそもそっと起き出して、体に掛けられていた師匠のシャツを羽織る。
「さっさとせぇ」
「…はぁい…」
体がだるい。
「喉嗄れてるね?大丈夫?」
「オハヨウゴザイマス…大丈夫です」
だるいのは師匠がガンガンにセメ立てたせいもあるんだけど……多分一番の原因は師匠に霊気を一気に吸いとられたせい…
その次の日は大抵こうなる…。
「すぐに準備します」
黒いシャツの前を握りしめながら、事務所奥の簡易シャワー室へと向かう。
「ハルちゃーん!俺はシャワー浴びてない方が好みなんだけどー」
「頭から俺のザーメン被っとってもええんか?」
「あんたら事務所でどんなプレイしてんのよっ」
泣きそうな白さんの声が聞こえてくる