dreamA

□Nさんの入れ知恵。
1ページ/2ページ



Nさんの入れ知恵。


「…ふんっ」



朝からずっと不機嫌なさぎ。



潤「さぎ、機嫌直せよ」



何を言っても全部無視。



「…」



いい加減苛立ってきた俺は



潤「…あっそじゃあ別にいいよ」



そう言うと一瞬にして顔色を変えたさぎ。



「…潤…さん?」


潤「…」



不安げにこっちを見るさぎから目を逸らす。



「潤くんっ…」


潤「…」



声が震えてる…泣くかな?



「やだぁ…ごめんなさい…怒ら、ないでっ…っひっく…うぇっ…っひ…」



やっぱり。



潤「なんで泣くんだよ…」



俺の腕を掴む細い腕はホントに力を入れてるのか疑うくらいか弱い。



「っひ…じゅ、んくんがっ…あたしの、こと…っひ…嫌いに…っひ…なっちゃ…ったぁ」



なんて勘違いしてんだ…



潤「別に嫌いとは言ってないだろ」



「だって…じゅんくっ…ん、…あ、たし…へんじ…しなかっ、たから…じゅんくっ…ん、…へんじっ…」



意味分かんなくなってるし…



潤「…俺はただなんで拗ねてんのか聞いてるだけだろ」



そうだよ、そもそも本題はそこなんだ



「だって…じゅんくっ…ん、…ゆう、こさんとっ…ちゅぅ…して、た…っひ」



潤「結子…?…あぁあれはドラマだろ」



そんなことで拗ねてたの?



「で、っも…ちゅ…っう…してたぁ…」



ちゅうって…ガキか



潤「…おい」



潤んだ目を俺に向けるさぎに俺は

キスをした。



「?…っ…んぅ…っふ…じゅ…くっ…んっ…んっぅ……」
 


潤「…俺はいつもお前としたいと思ってるけど?」



息切れして苦しそうなさぎに言う。



「はぁはぁ……だって和が…」



ニノ?なんでニノが出てくんの?



潤「ニノが?」



ニノとさぎは昔からの友達で俺らを出会わせてくれたのもニノ。



「結子さんと潤くんが…お似合いだって…」



…ったく、ニノも余計なこと言ってんじゃねーよ



潤「…俺はさぎしか見てないよ?」



普段の俺からは出ないような言葉もさぎを目の前にすると言えちゃう。



「…でもっ」



それなのにまだ否定し続けるさぎの言葉をさえぎる。



潤「でもじゃない。俺はさぎが好き。なんで分かってるのにそういうこと気にすんの」



いつまでたっても肯定しないさぎにも苛立ちを覚える。



「…だって」



あぁもうダメだ。



潤「…そんなこと言ってると俺他に女作るよ?」



それは言ってはいけない言葉。



「やっ…ごめんなさいっ…もう…言わないから…っひ…ごめんなさっ…やだっ…」



案の定、泣き始めたさぎに俺は罪悪感でいっぱいになる。



潤「…俺が泣いてる女は嫌いなのにこんなにかまうのはさぎだけだよ?」



テレビでも何回も言っている泣く女は嫌い。

さぎにだけは通用しないんだ。



「…ほんとに?」



いまだに疑うさぎにそろそろお手上げ。



潤「さぎの全部が好きなんだよ…分かってよ…」



最後はもう聞こえるかどうかくらいの声で言う。



「…ごめんなさい…」



やっと信用してくれたのか謝るさぎ。

でもそんなことが聞きたいんじゃない。

俺は…



潤「好きだよ」



満面の笑みで答える君。



「…あたしも好きッ」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ