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□06.オーシャンウェーブ
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沖田side


高校に入学した時には驚いた。一君をみつけた。昔と変わらない…彼には記憶がない。



もしかしたら君もいるかも…と思ったけど、君はいなかった。



高校二年の時、塾で千鶴ちゃんと出会った。中三だった千鶴ちゃん。もしかしたら…



僕の予感は的中した。君が、千鶴ちゃんと一緒に剣道場に来たんだ。あんなに信じてなかった、神様に感謝した。



でもこんなに女子がまわりにいたら、話もできない。僕は苛立って追い払った。



思わず君に抱きついた。君の髪からは甘い香り…



「総司!」



「一君…そんな目で僕の事みないでくれる?この子気に入ったから、仲良くなろうとしてるだけだけど?」



そんな僕の幸せな時間は、一君の声でかき消された。一君は記憶がないはずなのに…結局僕の邪魔する訳?




だけど、今の僕には諦める理由がない。君を僕のものにしたい…



「僕の彼女にならない?」



そう君の耳元で囁いた。耳元に顔をよせれば君の匂いがした。ほっとするような匂い…昔は触れずに終わったから…



だけど、すぐに一君に奪われた…



「一君こそ、手なんかつないじゃって。らしくないね?その子が好きなの?」



記憶もないのに、彼女を求めるのは変わらないって事?



「雪村の友達に、失礼な事をするな。困っているではないか」



そんな事をいう一君の目は、怒りが見えた。何なのさ?



君も君だよ?一君に手を握られて呆けた顔してるなんて…嫌な予感がした。




次の日のお昼、僕はいつものように屋上にいた。教室にいると女子がうるさいからね。



お昼休みも終わりか…階段を下りて行くと、お弁当をもった君。風紀委員の部屋から出てきた。



中をのぞくと一君が立っていた。昨日の今日で、お昼を一緒に…?気づけば君は一君の隣…





なんなのさ…これじゃ…


僕の願いが叶った意味がない…


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