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□04.モビールコスモ
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翌日、千鶴は私の家に来なかった。仕方なく一人で登校した。



いつもなら、千鶴と話しながら歩いてあっという間につくのに…



今日は、やけに遠く感じた…



校門の所には、風紀委員が立っていた。私はスカートが短いわけじゃない。そのまま通りすぎようとしたら、声をかけられた。



「今日は雪村と一緒ではないのか?」



顔を上げれば斎藤先輩で、話しかけられた内容に驚いた。まだ、入学して一週間も経ってない。



それでも、私と千鶴が一緒に通学してる事を知ってるなんて…



そういえば、昨日助けてもらった時…



“雪村の友達に…”って言ってた。斎藤先輩は、千鶴の事を気に掛けてたんだ…



私みたいな普通の子を助けるはずない。千鶴はかわいいもんね…明るいし…【千鶴の友達】だから助けられただけか…



そんな考えが浮かぶと、手を握られて斎藤先輩の事が気になっていたことが、恥ずかしい…



何かを期待していた自分に気づいて、悲しくなった。



『今日は、たまたま…です』



そう言って斎藤先輩から視線をそらすと、教室へ早足で向かった。




千鶴が許してくれるかもわからない…




明日も一人だったら、また聞かれちゃうのかな…【雪村は?】って…何て言えばいいのかな…




教室に行くと、千鶴はまだ来てなかった。チャイムが鳴る直前、千鶴が教室に入ってきた。



『おっ…』



“おはよう”そう言おうとしたけど、千鶴は私の顔など見向きもしないで、私の前を通り過ぎた。




ズキン…



もうだめなのかな…



いつも明るくて優しい千鶴…いつも一緒だったから、一緒にいない事がこんなに寂しいなんて思わなかった。



お昼になると、千鶴は他の友達とお弁当を食べ始めた。私には、千鶴しか友達がいない…



教室にいづらくて、お弁当を持って教室を出た。屋上にいくしかないかな…足取りも重く歩きはじめた。



屋上に行く階段の手前には、生徒会とか委員会の部屋がある。その前を通りすぎて階段を上った。



屋上のドアが見えてきてガラスの部分からは、青空が見えた。そんな空さえ、悲しく見えてしまう…ため息をついた。



私は急に腕を掴まれ、振り返った。そこには、斎藤先輩がいた。












そのことに驚くよりも…


嬉しくて胸が高なった…


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