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□02.テーブルモビール
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『おはよう、千鶴』


「おはよう、同じクラスだね。よかった」


幼なじみの私達は、薄桜高校に入学した。家が近所で、幼稚園からの仲。



どちらかというと大人しい私。明るい千鶴と一緒にいると楽しい。



「絶対、剣道部のマネージャーになる!」



なぜか、入学前から宣言していた千鶴。放課後帰ろうとした私は、引きとめられた。



「マネ、一緒にやろうよ?」


『へっ?私が?なんで…?』


「嫌なの?」


『嫌…』



皆の為に、何かするのは好きじゃない…



何故かは、わからないけど…



私の硬い表情に、しょうがないと千鶴も諦めた。



“じゃあ、日曜にね”千鶴と別れた。



日曜は毎週のように【映画鑑賞】…千鶴好みの。



“これすごくいいんだ”って、泣けそうな映画を選んでくる。



そして終わると、大泣きしている…千鶴が。



私は映画というものを見て泣いた事がない…いや、それ以外でも泣いた記憶がない。



赤ん坊の時は泣いていたはずだけど…ね。



映画やドラマを見て、可哀そうと思う事もある。学校で悔しいこともある。



でも、なんだか涙を流すまでの事には思えない…



いつか、泣く日がくるなら…







嬉し泣きがいい…



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