『Identity』

□19.2nd September
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土方side



藤堂から名前が全部知っていると聞いた…



それまで俺を捉えて離さなかった名前との思い出…



だが全てが悲しそうな名前に塗りかえられちまった…




俺の腕の中にいた名前の表情、声、態度…全てに悲しみが隠れていた…




おまえに伝えた俺の気持ちは本物だ。



嘘偽りはねえ…




だがそれを素直に聞く事なんて出来なかったよな?



そっとしておくより残酷な事をしちまったな…




だが耐えられなかったんだ。名前が藤堂のものになっちまうのが…




だがさっき会った藤堂…名前と付き合ってるんじゃねえのか?



“俺の女に手をだすな”みてえな言葉は一つも出てこなかった…



独占欲がねえのか?そんなやつがいる訳ない…



あいつは全てを知ってる。名前を抱いた夜の事も…俺が電話を取ったからな…



それでもあいつは名前と一緒にいる事を選んだ…



それほど名前の事を想っているって事だ…



名前の傍にいて藤堂には名前だけ。



あいつには全てを打ち明ける名前…






なぁ、名前…




おまえの心の中に俺の場所なんて…





もうねえのか…な…


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