『Identity』
□18.2nd September
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土方さんからのメールが恐くて次の日にメルアドを変えた。
あの日、私を心配するメールが来てたけど返信せずすぐに削除した。
何が本当なのか…わからなかった。
土方さんに向き合い答をだすべきだったのかもしれない…
だけど、できなかった…
雪村さんのように自分が本命と言い切れる自信なんてなかった…
土方さんを諦めないという強さもない…
だけど土方さんに求められれば断れなくなってしまう…
求めてしまう私がいる。
二人のキスシーンはショックだった。
でもほんの僅かではあったけど“やっぱり”と思う自分がいた。
土方さんを100%信じてない私。そんなのは本物の愛じゃない気がした。
そんな時に平助君に気持ちを打ち明けられた。
それは何の疑いもなく信じる事ができた。
いままで一緒にいたからか平助君には女の人がいないという確信があったからか…
平助君とは手をつないで寝る日々。もちろんベットと床だけど。
私の心にはまだ土方さんがいる事をわかっているんだと思う。無理強いはしない平助君。
そんなやさしい平助君の隣は安心できた。
いままで溜めこんできた物を吐き出しお互いの距離が縮まった私達…
二人でがんばる心地よさを初めて感じた。
それは土方さんには感じた事のない感情だった…