『Identity』

□15.2nd August
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平助君はあの日から少し変わったと思う。



落ち着いたというか優しさが増したというか…



“総司”と呼んでいた彼の事に何かしらの答えがだせたのかもしれない。



キスの事は聞けなかったけど、平助君にはそれほど意味はなかったのかも…



私の事を見ても照れたりする事もなかったし…むしろ私の方が意識してしまっていた。



土方さんの事を忘れていないけど平助君とキスをしても嫌じゃなかった。



キスした瞬間はすごく驚いた。だけど平助君が部屋を出ていった後…



静かな部屋にはドキドキする私の鼓動が響いていた。



平助君の事をどこか男の人として見ていなかった事に気付いた…



でもキスしてしまえば平助君は男の人にしか見えなくなった。



男の人が好きと言っていた平助君…



平助君の中で女の人がどういう位置にいるのかわからなかった。



異性なのか、同性なのか…


そんな事を知りたいを考えてる時点で私は平助君に女として見られたいと思ってる自分に気付いた…



土方さんの事はすぐには忘れられないとわかった。


それなら自分が望む生き方を探したいと思った。



平助君の優しさを感じて私も優しくなれる。そんな自分は嫌いじゃない。むしろ好きだった。



このまま平助君の傍にいたいと思った。



でも平助君にとって私が同性と同じ立場なら、願いは叶わない。



いつか平助くんには彼氏ができるから…


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