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□waiting
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※大学生犬夜叉×社会人殺生丸

「なぁなぁ殺生丸」
「………」

また始まった。
せっかくの余暇を読書で過ごそうとしている殺生丸に、暇だ暇だと構ってくれオーラを出す犬夜叉。午前中からずっとこの調子だ。勿論、殺生丸は無視を決行。

「……………」
「無視すんなよ」
「…………………」

ソファーにゆったり腰掛ける殺生丸に、横から覗き込む形で犬夜叉は声を掛ける。それでも反応しない私を見てか、読書と車の運転の時だけ掛けている私の眼鏡の端を、彼の両手が外してきた。

「………なんだ。読書中なのだが」
「せっかくいつも忙しいお前が休みだっていうから、楽しみにしてたのによ!出掛ける、って言ったじゃねぇか」

ソファー前のテーブルに眼鏡を置きながら、犬夜叉は言う。

「生憎天気が悪いのだ。窓から見えるだろう?」
「天気悪いくらいで出掛けねぇとかどんだけ気紛れなんだよ」
「雨の日は読書に限る。貴様こそ、勉強はどうした。」

こう言われると、犬夜叉はすぐに「うぐ…っ。」と言葉に詰まった。言い返すこともできぬのか、と殺生丸。

「うるせーっ。とにかく、出掛けねぇんなら出掛けねぇで、ちょっとは良い雰囲気になってもいーじゃねぇかよ!」
「そういうのは、犬夜叉。貴様の役目だろう」
「……容赦ねぇな、」
「つくづく世話の焼ける。キスでもしてやろうか?」
「えっ…」

殺生丸はぱたんと本を閉じてテーブルに置いた。すぐさま横を向き、犬夜叉に顔を近付けていく。彼は突然赤くなった。

「せっ、殺生ま…「うるさい。目を閉じろ…」

言われた通りに目を閉じた犬夜叉を見て、殺生丸は静かに笑った。そのまま本と眼鏡を手に取り、先ほどのページを探した。

暫くして、止まったままだった犬夜叉が「殺生丸…?」と何とも間抜けでか細い声を出した。

殺生丸はにやりとして、

「馬鹿が。何を本気にしている。」

と、再び手元に目を落とす。


「せっかく今いいところなのだ。邪魔をするな」
「それはこっちのセリフだバカ野郎」

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