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□恋する狂犬Ⅱ-8
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郷田家に仕えてもう何年経つのだろう。一生をこの家に捧げているといっても過言ではない。
極道という世界の人間、郷田仁がある日小さな子供を連れ帰ってきたのはいつだったか。
息子として育っていく龍司はやはり父と同じ裏社会で生きる道を選んだ。
そしてその郷田仁を思い出させるように似たような行動をとり、ハルを連れてきた龍司。
そしてそのハルを引き取るように今まで育ててきた。
毎日のように郷田邸に遊びに行き、極道者と顔を合わせ時には楽しそうに言葉を交わす彼女を見守りながらもふつふつと大きくなるとある思い。
この子には普通の人生を送ってもらいたい
そんな自分の思いとうらはらに、歳をとるごとに男と女として絡まり合う龍司とハルの想い。
どうか、どうか二人の気持ちがひとつになってしまう前に。
ハルの卒業式が目前に迫っていた。