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□恋する狂犬U-8
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「ほなまた明日迎えにいくわ。」

「うん!ありがと!」



ただいま、とドアを開けたハルは靴を脱ぎ捨てるとバタバタとベランダへ出て大きく手を振る。
それに応えるようにバイクのエンジンがかけられ大きな音と共に走り去っていく。


「また坊ちゃんと会うてたんか?」

「うん。今日はアイス食べに行ってきたんだ!」


食卓机におかずをならべながら片眉をしかめた使用人は、ハルの体を頭の先から足の先までじっくりと観察した。


「……毎日毎日夕飯の前に坊ちゃんといろいろ食べて…。ちょっと太ったんちゃうか?」


その一言に悲鳴をあげたハルは鏡の前に走っていった。



まあ前から仲はよかったが最近は異常なほどの仲のいい兄妹。それはそれはなにもしらない人から見ればカップルそのもの。それもそのはず、血が繋がっていないのだから。

幼いハルの母親となって今日まで育ててきた彼女が、ハルの龍司に対する気持ちに気づかないわけがない。

そして同じ様に龍司のことも幼い頃から世話をしてきたのだ、最近はただ妹を溺愛する兄でなくなってきていることにも気づいていた。




【龍司はハルを妹ではなく女として見ている】



それが彼女にとって大きな不安だった。





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