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□恋する狂犬U4
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「親父ーっ!!、本当に組割るんすか!?」

「割るんか?ちゃうわ。もう割ってきたんや。」




突然の組の解散に泣き崩れる者が多数いる中で、真島はおもむろにヘルメットを取り出し頭に装着した。



「お、親父?」
「へ???」
「ヘルメット?」


特に言葉を発することもせず、真島は頭に乗せたものと同じものを次々と事務所に投げ込まれていく。



「真島組はもう終いや!引き続き真島建設で働くモンはこれ被れ〜!!」




真 島 建 設 ?????




真島組解散→親父は親父でなくなる→路頭に迷う

真島建設?→入社→親父社長→親父の下にいれる!!



脳内整理が済んだ者から我先にとヘルメットの取り合いが始まった。
結果、大半が真島建設に就職することになったがそれでもやはりカタギではなく極道の世界に留まりたい者もいた。



「ほなオマエらは柏木んトコで面倒みてもらえや。」



柏木さんに了承を得ているのだろうか、いや、親父のことだ思い付きで言ってるに違いない。
組員達は一抹の不安を覚えながらも痛めつけられてへこんだロッカーからバットを取り出した。
しかし柏木さん率いる風間組で金属バットなんか振り回している者などいただろうか。真島組が武闘派ならあっちは頭脳派のイメージがあるぶんこんなものを持って行けば怪訝な顔をされかねない。

考えた結果一度はバットを置いた組員達だったがやはり愛着があるのだろう、各自一本ずつ大事に抱きしめて真島組を去って行った。きっと部屋の隅にでも飾るのであろう。




「よっしゃ、ほなたった今からワシらは極道モンとちゃう、カタギさんや!おいそこのオマエ!ちゃんとメットのベルト締めんかいっ!」


ゴッ、と鈍い音がして男は倒れた。


「ふぅ〜ん。けっこうヘルメットも役にたつモンやなぁ〜。な?」



白目をむいて倒れている男から奪い取ったヒビの入ったメットをまじまじと見つめながら真島は同意を求める。

親父の躾は変わらない……社員達は浮かれた気持ちを引き締めた。



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