きまぐれソウルイーター
□たまには…
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俺は今日、珍しく熱を出した。
いつも健康とCOOLには気を使っているが、熱にはきかなかった。時には冷静を忘れることも大切だな。
…というわけで今こうして俺はベッドの上で退屈な時間が過ぎていくのを窓の外で見守った。
あ、あいつが帰ってきた。は、いいとして…なんか聞こえる足音がやたらに多いきがする。それに最初に聞こえた足音はあいつじゃない。どっかで聞いた、やばい足音。
とたんにバァン!というとてつもないドアの音。
「おいソウル!!神と同列の俺様ブラック☆スター様がわざわざお見舞いに来てやったぜ!!いわゆる神降臨だ!感謝しろ!!」
あいかわらずデカい声で鼓膜が破れそうだ。
「……うるせぇ。こっちは病人なんだよ。おまえ気違いかっつの」
心臓とまるっつのと突っ込もうとしたらみんな入ってきた。
「珍しいねーソウル君が熱なんて。」
椿は優しいよな……よくあのブラック☆スターをなだめられるよ。
「ほんとだ!顔あかいぞー」
リズはまぁそれなりだな。ちょっと嫌だけど。
「COOLさがないぞー!!」
あっ、気にしていることズカッと言いやがって、コノヤロ。パティの奴!
「うむ、バンダナをしてない時はシンメトリーだ。美しい」
おまえってそういう奴だよな、キッド。つかそこ突っ込むところか?
「熱はどう?下がってきた?」
うん。一番はやっぱりマカだよな。俺のこと一番わかってて気を使ってくれるのは。
「…………38.5度…」
俺は先程計った体温を知らせた。
なんかどんどん熱が上がっているのは気のせいかな?とも思いつつ。
「熱が今朝より上がってない?大丈夫?」
「え。そうだったの?悪ぃデカい声だして。」
「あ……へーき…」
「…にしてもソウルは熱出してると可愛いもんだな」
………は?
「あっ、リズちゃんもそう?わたしも目が潤っとしてて。おねだりされたら聞きたくなるような」
………訊いてらんないぞ。この会話。つか椿さん?会話つなげないでよ。
「うんうん!ソウルの寝顔、普段とは思えないほど最高だよ〜!」
うっ……マカまで………
なんかやな予感。
「眠れ!眠れ!」
はいきたー!!やっぱり眠れコールか!嫌だね。何を言われようが俺は絶対……に…
ぽす、軽い音と共に俺はベッドにすいこまれた。
「……っはぁはぁ……っぜぇ…ぜぇ……」
「ソウル!?大丈夫!?」
「おーい。意識あるかー」
「おい、おまえら!…っていねーし」
男子全員お粥を作りに行ったらしく、近くにはいなかった。
だが、ソウルの姿をそこにいた女子4人中3人が凝視した。
ソウルの姿はカッターシャツ一枚で第2ボタンまで開いている。そこから覗く喉仏と鎖骨が色気が出てくる。それはお釣りがかえってくるほど。
「……ソウルって意外とかっこいい所あるな」
「…正直言ってわたしもどきっとしました」
「じゃあマカ、あたしらお粥作るの手伝ってくる。どうせあいつらのことだから失敗するかもだし」
「マカちゃん、よろしくね。」
「え……ちょっ……待っ…」
ぱたん、とドアは閉ざした。
「ソウル〜」
気がついたら彼はあせまみれになっていた。
「えっと……何か着るもの取ってこなきゃ………」
相変わらずソウルは寝たまま。そっと部屋を出て上の替えのシャツを取ってくる。
…あたしも実はかっこいいって思った。あんなソウル、見たことない。なんかどうしても顔が赤くなってしまう。
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部屋に戻ってきたらソウルは起きていた。
あたしは途切れ途切れで、シャツを渡す。だってあんまりにもかっこいいんだもん。
「ソウル、…良かったら……着替えたら?はい、これ…替えのシャツ。」
案の定、ソウルは全身汗だくだ。気持ち悪くて起きてしまったのだろう。けどシャツを受け取ってもらい、ほっとした。
「じゃああたし、自分の部屋に居るから、着替え終わったら…呼んで………」
マカの口が止まった。
なぜならソウルが着替え始めたから。
「…あのーソウルさん?わたしまだ部屋にいるんですけど………」
わたしは次の言葉に縛り付けられた。
「おまえなら、いいよ」
……なんかあたしだけ特別に扱ってもらってる気がする。
うわぁ、肩とかあたしより広いや。ううん、背中もすごく広い。
と、
「……よしよし…いいこいいこだよぉ〜」
……………は?
ソウルが頭をなでてきた。
「かわいいなぁ〜よしよし」