大事なのは魂ではなく…(ソウルイーター)
□些細なきっかけ
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COOLな俺でも悩みはある…
そんなの俺らしくないけれど、
人に簡単には聞けない。
信頼って頼もしい言葉だけど
おまえのパートナーである権利って俺にあるのかな
俺はおまえのことを守れているのかな
俺はおまえの傍にいてもいいのかな
「そおーるっ!起きて!死武専行くよ!さもないとマカチョップだよ!」
ソウルは珍しく起きていた。
相変わらずマカは夜通し本を読んでいたみたいで眠そうだが、起きるのは早い。感心するけどさ、
「おまえもうちょっとゆっくりしろよ。おまえが寝不足で倒れても重くて運べねーからな」
この言葉が喧嘩のきっかけ。
「はあ!?何であんたにそんなこと心配されなきゃいけないのよ!?大体、あたしは嫌でも毎日起こしてあげてるでしょ!?少しは感謝してよバカソウル!!」
「つ……」
そう言われると言い返せない。
「………そうだよな…俺がいつも起きないからっておまえはわざわざ起こしにきてくれるんだもんな……」
「その通りよ!!……ってソウル?」
「……………………」
「具合悪い?大丈夫?」
「………………なぁマカ」
「ん?何?」
その時の俺はどうかしてたのかもしれない。
「俺っておまえのこと、本当に守れてるのかな」
「……えっ?」
とっさのことで理解できない。
「……なんか俺、可笑しいよな。へんなこと聞いてるよな。」
「ちょっ……ソウ…」
「悪い、俺先に死武専行ってるよ」
パタン、という音と共に光が閉ざされた。
「…どうしたんだろう?」
ぎこちない心と足取りであたしも死武専へと向かった。
そしてこれから、同居してても分からない、彼の心の疑問にあたしは頭をひねる事になる。
黒血とは天秤にかざせない。
彼とあたしの距離なんて
手を伸ばせば届くのに
近いようで遠くなる
守りたくても守りきれない
あたしはそれを一番わかってたはずなのに。