緋色の鎖

□第七章
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『     』


だれ?


『     』


きみはだれ?


『     』


あぁ。

知ってる。

ぼくは君を知ってる。


でもなんで?


ぼくはきみを思い出せない。

まるで

思い出しちゃいけない事みたいに。


なんで?


きみはこんなにも優しい声なのに

こんなにも暖かい声なのに

ぼくはきみを


思い出したくない。


どうして?

分からない。

その理由さえ

ぼくは思い出せない。


知りたい。


知りたくない。


哀しそうな顔をする君の記憶を




ぼくは捨ててしまった。










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