緋色の鎖
□第一章
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俺はお前の為に生まれた。
お前が泣くから。
お前が寂しがるから。
俺はお前を護る為に此処に居る。
お前を傷つける奴が居るから。
お前を殺そうとする奴が居るから。
だから俺は
お前の傍に居る為に
此処に生まれてきたんだ。
なのにお前は
俺を忘れようとする。
俺を消そうとする。
俺のお前に
気安く触る奴が居る。
そうじゃ無いだろう?
お前には俺が居るだろう?
いつだってお前を護ってきたのは
傍に居たのは
俺だったろう・・・?
俺にはお前しか居ない。
お前の為に生まれた俺だから
お前を取り戻す権利だってある筈だ。
お前だって
もう傷つきたく無いだろう?
だから俺は
お前の為に
俺の為に。
もう一度
牙を剥こう。