炎熊の航路
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ボボボボボボ…!!
エース「ラウ!もう一度言うが、振り落とされんなよ!!」
ラウ「ん! わかってるのだ!!」
海を突き抜けるように、突き進むストライカーと、それに乗るエースとラウ。
しかし、以前と違って、乗りかたが変わっていた。
何とラウは、エースの背中におんぶ≠ウれた状態で、海を走らせてもらっていた。
……理由は、父親と旅をしていた時、ラウはずっとおんぶ状態で海を渡っていたのだ。
エースのストライカーに初めて乗った時、その感覚は蘇るように思い出されたのだが、その時は頼まなかった。
しかし、今は完全に信用している。 ラウはそれを告げると、エースはあっさりOKした。
風を切るように進む感覚…ラウはそれを本当に嬉しそうな顔をしていた。
やはりどこか、心の奥では寂しさはあったのだろう…。
*
*
それから、2人がモビーに辿り着いたのは夕方近くの時間帯。
その時間帯になると、やっとモビーが見えて来て、嬉しさは増した。
エース「結構でけェだろ?」
ラウ「う…うん……、……………でも…、…はじめて…な、きがしないのだ…」
エース「え…?」
エースは仲間から下ろされたロープを登りながら、ラウに来た事があるのかと質問する。
…すると、飛び交って来たのは別の声であった。
?「随分早い帰りだなぁ、家出の割には?」
?「まだ1日経ったかぐらいなのに、早いねー」
エース「あ? 何言ってんだラクヨウ、ハルタ」
ラウ「………」
?「ん? エ、エース…そのチビ……」
ラウの存在にいち早く気づいたイゾウ。
イゾウがそう言うと、他の者も気づいたのか軽く驚いた顔をしていた。
?「エース、何故おめェがそいつを連れてんだ?」
エース「!」
ラウ「……!!」
エースは船員たちを避けて、船長…白ひげの前までやって来た。
?「あれ? お前もしかして…ゼルクの息子か?」
ラウ「え…?」
?「生きてたってのは本当みたいだねい、」
エース「??、何言ってんだサッチ、マルコ…?」
マルコ「……まずお前から話せよい、」
サッチ「話しはそれからだろ?」
…分かった、とエースは了承し、エースはこれまでの経緯を掻い摘まんでみんなに話をした。