炎少年と青年

□故郷の島
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ーーそれから数十日。
レンたちは時々近くの島で休みながら、やっとの思いで偉大なる航路から西の海へと来た。

今はレンの故郷に向かっている途中だ。




マルコ「レン、まだ先かよい?」


レン「………」


エース「レン…?」


レン「…ん、ぁ…悪ィ」


サッチ「どうしたよ?」


レン「ぁいや…、何か懐かしく感じてさ」


『!』



景色とか、匂いとか、肌で感じるモノ…。

他の海では特に感じなかったものが、今はとても心地よく感じる。


帰って来た…、それをすごく実感する瞬間だ。




レン「……マルコ、あの島」


マルコ「よい」



マルコはレンの指した方向に着地した。

そこは小さな島。
けれどここが、レンが生まれ育った場所である。



レン「ーー!!」


マルコ「これは…、」


サッチ「マジかよ…」


エース「凄ェ…、」




降り立った場所に、四人は言葉を失った。



島の六割ぐらいだろうか…そこに広がるは絶景の“花畑”であった。

様々な色や多々ある種類…そしてそれらは四季関係なく混ざり合って咲いているのだ。


どんなに花に興味のない者だって、こればかりは感情が高ぶる人が多数出てくる筈だ…。

今4人はそんな感じなのかもしれない。



サッチ「こいつら、レンがいない間に咲いたって事なのか…?」


レン「……」


マルコ「そうだとしても…これ程になるとはねい」


エース「花って凄ェんだな…、」



3人が感心していると、レンはしゃがみ込み、一つの花に優しく触った。


その顔は今にも、嬉しくて泣きそうになるくらいで……それを堪えながらレンは目や耳、そして肌でこの景色を堪能していた。


3人が近くをそれぞれ歩いている間、レンはその場から離れはしなかった…。
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