妖狐の煌
□27、解決
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アクト「……ん…、」
医者に見てもらってから次の日…。
相変わらずの雨に時間帯が確認出来ないが、それ以前にここがどこなのか分からないアクトは頭を抱えながら周りを見る。
すると、周りにいた女性の一人がアクトの目覚めに気づいた。
「目が覚めたのね、」
アクト「………」
見知らぬ場所・匂い・人々。
警戒心を抱く理由は充分である。
女性たちはアクトが興奮しないよう、ゆっくりこれまでの事を話した。
ロールが自分を庇う姿は、嫌でも覚えている…。
それを思い出したアクトは不機嫌になりながらも、女性たちが嘘は言っていない事を認める。
アクト「島からは出られるの?」
「船があればね…、けど皆が乗れる程の大きな船を作る技術も無いの」
今小屋にいるのはざっと150人前後。
小舟ならともかく、大きな船となると構造や仕組みが難しく、素人には無理難題なのだ。
なのでこの島から出るには、例え船が作れたとしてもすぐには無理だろう…。
*
*
ロール「やっぱ電伝虫は無いかー…、」
「小屋の中を色々探しましたが、残念ながら…」
ロール「この小屋、元々誰もいなかったのか?」
「ああ、人が住んでいた形跡も大分経ってたしな」
これからの事を議題に、男性人を中心に話し合いが行われていた。
ここにずっといる訳にもいかない彼らは、どうにかして確実に早くここを出る方法は無いかと話し合っていた。
そんな時…、
――ガタン!!
『!!!!』
「ロールさん!海賊だ!!」
ロール「海賊?」
島を探索していた者達が帰ってきたと思ったら、その中の一人がそんな事を言った。
海からこちらにやって来てるのは、クレイモア海賊団。
と言われても、今一ピンと来ないロールは他人事のように生返事をする。
どんな海賊だろうと、自分を少しでも知っている可能性があるならば、隠れなければならなかった…と気付いた時は既に遅かった…。